リンパマッサージに効果を求めるなら、まずは情報のダイエットを!!

「リンパマッサージ」というキーワードでネット検索すると上位30位までは、医学的に正しい情報を伝えているものが全くありませんでした(2014年3月現在)。出てくる記事は「リンパマッサージで小顔」「リンパマッサージでデトックス」「リンパを流してダイエット」という感じのものばっかりです。

リンパマッサージで検索するといいかげんな記事が

医学的にリンパをマッサージして、浮腫を改善させる方法がありますが、本当にリンパマッサージを必要としている人に情報がつたわらないという、ある意味危険な状態になっているのが、リンパマッサージ系業界です。

「リンパマッサージ」Google検索結果

陸上自衛隊のメンタルヘルス教官の下園氏も「情報に触れすぎるのがマイナス感情を生み出す」というようなことを言っています。精神的安定に対しても情報の集め過ぎがマイナスになるように、リンパマッサージも溢れかえる間違った情報のダイエットが必要です。

がんの手術の跡に、腕や下半身のリンパ浮腫に悩ませられる患者さんがいますが、それを治療するのがリンパ浮腫のマッサージであり、決して小顔や足瘦せ、ダイエットを目指したものではありません。

間違った知識でリンパを流しても、ダイエットできるわけがない

リンパ管とリンパ液をリンパと漠然と呼んでいます。体中に細胞で消耗された栄養のカスをリンパ管を流れて最終的に体外に排出されることは間違いありません。また、リンパは体を外敵から守る為に組み込まれた人間の自然の防御システムです。小顔やダイエットの為に存在するものではありません。

リンパ管の途中にはリンパ節と呼ばれる(喉をが痛い時に首にグリグリができますが、その場所です)が体の各所にあるのですが、免疫系に対して重要な細胞が含まれていますので正しい知識を持たないで「リンパを流す」とトンデモないことが起きる危険も考えられます。

ダイエットがブームですので、リンパマッサージでダイエット効果を目指すものが多く目につきます。それらの間違いは

以前ブログでかきました。特に気になるのが東洋医学との合わせ技の「経絡リンパマッサージ」です。

リンパマッサージイメージ

正しいリンパの流れを理解する必要がある

リンパの流れを正しく理解して、健康に役立たせるためには信州大学の大橋教授が書かれた本を参考にすることをお勧めします。医師が書いたから正しいとは限らないことは、一時期話題になった近藤氏のがんと戦わない系の本がありますが、この大橋教授の書かれたものは疑い深い私でも医学的に疑問を感じる記述はありませんでした。

国民生活センターの把握しているマッサージ等による危害件数 

国民生活センターの把握しているマッサージ等による危害件数http://www.kokusen.go.jp/

混乱を招く医学的リンパマッサージと痩身の関係

医学的に確立されたリンパによる浮腫の治療は手術と弾性サポーター、そして「リンパドレナージ」という方法だけです。リンパドレナージをリンパドレナージュとフランス語を使ってそれらしいムードを醸し出している非医療系業界もあります。

がん研の有明病院ではリンパ浮腫外来を開設して手術後のリンパ浮腫に悩ませられている方の治療を行っていますが、「リンパドレナージュ」という言葉を使用しています。そんな医療にも敏感なアンテナを張り巡らせているリンパマッサージ業界、恐るべしです。

がん研有明病院リンパドレナージュ

http://www.jfcr.or.jp/hospital/conference/cancer/lymphedema.html

今後のリンパマッサージの予想

間違いなく免疫システムを高めて、何でも治っちゃうという論法を振り回してくるのは、かなり高度の確率で予想されます。

もちろん、信州大学の大橋教授の本を参考として自分に都合のいいとこ取りの論法を使用して。でも、一つだけ注意しておきますね、病気を第三者が治療する、あるいは治すことは医師又はそれに準ずる国家資格を持ったものでないと違法になります

また、病気の診断を下すのは医師だけに許された行為です、たとえ鍼灸・マッサージの国家免許を持っていても診断を下すことは違法となりますので、それを知っているだけで怪しげな業者に引っかからないで健康被害を防ぐことが可能になります。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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