おしっこが近い、おしっこの回数が多い症状の治療は注射がベスト。

新しい生活様式、ニューノーマルといった言葉がありますが、2020年を境に私たちの生活は大きく変わりました。医療分野においても医療では初診の患者さんに対するオンライン診療が解禁となりました。

2週間ごとに血圧の薬の処方を受けるために、近医を10年以上受診している患者さんもいますが、多くの方が「なるべく医療機関受診機会を減らしたい」と考えるようになり、大して症状に変化が無いのに、一定期間毎に医療機関を受診することが面倒、と考えるのはごく自然なことでしょう。

とはいえ、受診せざるを得ない状況は誰にでも訪れます。今回は、頻尿でお悩みの方の受診回数を減らすための効率の良い治療方法について考えてみます。

医療機関受診回数を減らすためには、過活動膀胱の治療はこれからは注射も選択肢に

私が専門とする泌尿器科領域でたまたま本年2020年4月から保険適応された治療方法があります。

おしっこが近い、おしっこの回数が多いことが主な症状となる過活動膀胱(Overactive Bladder、略してOAB) の治療として美容皮膚科領域でポピュラーとなった、シワ消し治療に使われるボトックス注射が健康保険で行われるようになりました。

※オンライン診療での初診患者さん対応は緊急事態宣言を受けて、外出自粛に対応する時限的な処置を考えられていました。先月、日本医師会会長選挙があり、オンライン診療推進派と考えられている新会長が選出されたことから、初診患者さんをオンライン診療で対応することは、このまま継続されると予想されています。

頻尿に対するボトックス注射療法、新型コロナ🦠感染症の影響を受けています。

大病院は能動的受動的に受診抑制傾向があります。2020年の3月から5月上旬は新型コロナ🦠感染症に対応するために、地域の基幹病院では通常の患者さんの紹介を控えてほしいとの要望が公式的・非公式的に私たちのような町の開業医に伝えられました。

患者さん側も新型コロナ🦠感染症感染を恐れると言うか、感染リスクを抑制するために基幹病院受診を自制していたかたも目立ちました。

新型コロナ🦠感染症禍真っ最中の4月に保険適用されたボトックス注射を使った頻尿治療方法は予想外に大学病院や地域の基幹病院では行われていません。

令和2年度の診療報酬改定にともなってボトックス注射による治療は「尿失禁手術」の項目に含まれていても、実際は手術というほど大げさな治療方法ではありません。

ボツリヌス毒素を使用した過活動膀胱の治療(ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法という表現の方が適切だと思います)は、当院では日帰りで行なっていますので、「手術」という表現はちょっと大げさなイメージです。

ボトックスを使った過活動膀胱の治療はどのようなものか?

この治療方法は単純にお伝えすると、「膀胱内にボツリヌス毒素であるボトックスを注入する」終わり、って感じなのです。

過活動膀胱は多岐に渡る原因で、膀胱が通常より敏感になってしまって、尿がためられない、ちょっと尿がたまっただけでおしっこに行きたくなる、トイレに間に合わないで失禁しそうになってしまう、という生活の質を落としてしまう病気です。

ボトックスは筋肉を収縮する力を弱める働きがあり、わかりやすく表現するとボトックスを膀胱の壁に注射することによって、膀胱の尿意をぼんやりさせたり、急な膀胱の収縮を抑える効果が期待できるのです。

ボトックスを使用した過活動膀胱の治療は海外では既に標準治療となっていました。

http://www.elmtreemedical.com/blog-elmtree/2016/8/23/which-treatments-really-work-for-overactive-bladder

過活動膀胱の治療の薬は飲みたくない、薬が効かない、そのような方向けに様々な治療方法が世界中で研究され、臨床の場で使用されています。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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