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科学的に不可能な部分痩せ、しかし、医学的には部分痩せが可能である理由。

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科学的には不可能とされているのが、「部分痩せ」です。しかし、部分痩せが科学的に不可能と考えられていても医学的には可能と考えることも出来ます。

なぜならば、「お腹周りの脂肪を落とす」「腹部の皮下脂肪を減らす」との効果効能を大々的に宣伝している薬が実際に存在していますもの。科学的には不可能な部分痩せであっても、医学的には可能と考えられている部分痩せを、医師として検証してみます。果たしてその結果は⋯。

部分痩せの効果がある薬は本当に効くのか?

部分痩せの定義としては、身体のある特定部位の余分な脂肪を減らすことによてサイズダウンさせること、と考えられます。私の経営する五本木クリニックの患者さんが希望する部分痩せの部位はトップはお腹周り、次が太もも、女性に多い傾向があるのが二の腕とヒップです。

男女ともに部分痩せをしたいなあ、と考えているのがお腹周りだと考えてよさそうです。様々な痩身方法が世の中に出回っていますが、まずは医師らしく「薬による部分痩せ」を考えてみます。医師の処方が必要な薬よりもドラッグストアで手軽に手に入れることができる薬による部分痩せと条件を絞って話を進めますね

CMでよく見る「お腹まわりの脂肪を落とす」系の薬

脂肪を燃やす!余分な脂を出す!年輪脂肪を燃やして落とす!etcといった威勢のいいCMを目にする機会が多いはずです。これら「お腹の脂肪を落とす」系の薬として、小林製薬の「ナイシトール」、クラシエの「コッコアポ」があります。さらにロート製薬の「ロート防風通聖散」などが一般的ではないでしょうか?実はナイシトールもコッコアポも主成分は防風通聖散、つまり漢方薬の薬効によってお腹の脂肪が落ちるということになります。なぜ漢方薬である防風通聖散は余分な脂肪をターゲットを絞って、つまり部分痩せ効果あるとされているのでしょうか。

防風通聖散料エキス錠

これは研究のために先日購入したAmazon限定ブランドの防風通聖散料エキス錠、ここにはしっかりと「おなかまわりの脂肪を落とす」って書いてありますね。

しかし、ネット上では部分痩せは科学的に不可能である、と述べている記事も多いのです。特にガチのトレーナーさんの書いた筋トレ系。

昔から痩身効果があるとされている漢方薬

かなり昔に東邦大学の東洋医学科の偉い先生から、「コッコアポって要するに防風通聖散なんだよね」と教えたもらったことがあります。なんで漢方薬を服用することで部分痩せが可能なのか、素直ではない私は偉い先生のお話の途中で「下痢しちゃうと食欲が減退するから結果的に痩せるんじゃないのですか?」と傍若無人な意見を述べて、さらに偉い先生に怒られた記憶があります。

コッコアポやナイシトールの主成分である漢方薬「防風通聖散」のさらなる主成分は18種類の生薬で構成されています

当帰(トウキ)、薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、連翹(レンギョウ)、薄荷(ハッカ)、生姜(ショウキョウ)、荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、白朮(ビャクジュツ)、桔梗(キキョウ)、黄芩(オウゴン)、甘草(カンゾウ)、石膏(セッコウ)、滑石(カッセキ

ツムラ防風通聖散(ボウフウツウショウサン)https://www.tsumura.co.jp/kampo/list/detail/062.html

18種類の生薬のどれが余分な脂肪を減少させてお腹周り脂肪を落とすのか、それぞれの生薬の相互作用の結果として脂肪が減少するのか、あるいは生薬のどれかがお腹周りにターゲットを絞るのか、かなり気になります。特にお腹周りの脂肪を落とすことは科学的には不可能と断定しているウェブサイトに真っ向から逆らう部分痩せ効果が不明確なものであったらコッコアポやナイシトールや防風通聖散は誇大広告ってことになり、薬機法で即アウトになります。

部分痩せ効果のある漢方薬のエビデンスはこれかあ⋯。

防風通聖散が強気に「お腹周りの脂肪を落とす」で主張するのには確たる証拠があるはずです。おそらく、部分痩せ効果を証明したエビデンスはこれだと考えられます。

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クラシエ「防風通聖散が肥満患者に与える影響」https://www.kampoyubi.jp/material/clinical/pdf/GR-033.pdfより

この研究のデータとしてウエストを測定しているものがあり、確かに投与前後を比較すると減少が認められます(まあ、効果が2センチの減少である点とn=20であることは見て見ぬ振りしますね)。

他の製薬メーカーも同じ様な結果を伝えていますので、この結果が揺るがぬものであると仮定した場合、医学的に部分痩せは可能であることはエビデンスで明らかである❗と言い切ることが可能です。

部分痩せは科学的に不可能説は一理あるけど、やっぱり医学的には可能なんだよね❗

私の周りでも筋トレにハマっている医師や医師じゃないけど頑張っているオッサン、お姉さんが多数います。一時期筋トレにハマって肩と首を痛めた私としては、いかに楽をして部分痩せを可能にするかがここ5年程度のテーマとなっています。

私は医師ですから、つらい筋トレとか食事制限以外の医療機器や薬で他力本願的に楽ちんに痩身、それも部分痩せ方法を追求しています。だって、生まれつき運動嫌いだし、歳を取るに従って美味しいものだけ食べたいし、他人に努力しているところは見られたくないし⋯という非情に我儘な私なんですけどね。

筋トレ界隈はここ10数年でめちゃくちゃ科学的に裏付けられた研究によって進化している、これは素直に認めます。一応、医師ですから、科学的知見は一般人よりは少々豊富と自負している私であっても「科学的に部分痩せは不可能である」と主張する研究熱心な筋トレ方面の方々に真っ向から逆らう意志は全くありません。薬、特に漢方薬の部分痩せ効果についてはさらなる調査が必要ではあると現段階では考えたほうがよさそうですが、少なくとも医学的に部分痩せは可能であると述べても大間違いでは無さそうです。

防風通聖散よりも部分痩せ効果ありと思われる医療機器

ところで薬じゃないけど、私の独断でつい先日このような医療機器を買っちゃいました。

CELLUTONE(セルトーン)

スタッフには買ったことはまだ伝えていないんだなあ⋯。

「CELLUTONE(セルトーン)」という体外衝撃波を使ったマシーンで以前大ヒットしたスリムスペックと同じような効果があるものです。体外衝撃波は本来は泌尿器科医である私にとっては腎結石の治療で使い慣れているもので効果や安全性については十分知り尽くしているつもりです。セルトーンの効果として、多くのクリニックがセルライトの除去と伝えているのですが、このセルライトって医学用語では無くエステ用語なので、当院としてはというか私としてはあまり使いたくないと判断してます。

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これは米国のhttps://www.aestheticbodyshaping.com/の症例

さらにライポソニックスという医療機器があって、これは間違いなく部分痩せの効果があります→ライポソニックス:高密度焦点式超音波で皮膚を傷つけずお腹周りの脂肪細胞を破壊

当院の経験上、部分痩せ効果は防風通聖散よりはあります。

ご興味のある方は、お問い合わせをご利用いただいて、「院長がブログに書いていた部分痩せ」と書き添えていただければ、私が責任を持って疑問点や料金の説明をさせていただきます。「院長〜、新型コロナ感染症対策で保険診療の患者さん減っていますよね〜、ライポソニックスやセルトーンくらい院長が担当してもいいんじゃ無いですかあ、キーっ」と美容スタッフに迫られております。2020年内は院長権限でちょっとお安くしたりおまけ付けちゃいますので、是非是非。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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