感染予防にはマスクをするより、コンドーム装着が効果的⁉急増する梅毒に関して。

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ここ数年、梅毒感染者が急増しています。梅毒はみなさんが考えているより感染力が強く、後遺症もあり、さらに次世代にまで犠牲を生む点にご注意ください。

異常な右肩上がりの梅毒感染者数

梅毒は感染症法上は5類に指定されています。5類に指定する理由は感染症の発症や拡大を防止することが求められる感染症だからです。5類感染症に分類されていても、患者さんの生活ががんじがらめに制限されることは無いことは知識として覚えていてくださいませ。医療機関が発生届をするだけですからね。

急増する梅毒感染者

https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20220214-OYT1I50056/

過去の病気、過去の感染症と思われていた梅毒が急拡大していることはご存知だと思います。もちろんそんな感染症は自分には関係ないよ!と考えている人も多数いるんでしょうけどね。

梅毒ってたぶん、皆様がお考えになっているより感染力が強く、予想しているより重篤な感染症であるとの考えられているのが感染拡大の一つの原因なのでは無いかと予想しています。

【急増】梅毒感染拡大の原因を5つ考えてみた。

【急増】梅毒感染拡大の原因を5つ考えてみた。

実は性感染症が減少傾向にある中で、梅毒が急増するという不思議な現象が起きています。高齢化社会になり恋愛にも消極的な若者が増える中、性交渉そのものが減っているわけですから性感染症は減るのは当然ですが、梅毒は増えている、この原因について泌尿器科医が考察してみました。

また、感染した後の後遺症も皆様の予想以上のものであり、さらに厄介なことに次世代にまで梅毒は悪影響を撒き散らします。

現在世界中をヘンテコかつ厄介な感染症が席巻していますが、忘れ去れた過去の感染症「梅毒」はある意味では例の感染症より厄介ですし、予防方法は確立しているのですから、STDのプロフェッショナルである泌尿器科医としては、正しい知識を身に着けてしっかり予防しましょう!と強く主張します。

梅毒の感染率は30%!!

梅毒感染予防のための予防接種、つまりワクチンは存在していません。いま問題となっている感染症はワクチンがあるんだから、梅毒の方がある意味で厄介とも考えることができます。

梅毒の予防方法として、自分がもしも梅毒であったのなら相手にうつさないための対策としては、コンドームを使用することが挙げられます。

自分はクリーンである場合、性交渉相手に対して事前に陰性証明などの提示を求めたら間違いなく思いを遂行することは不可能になるんじゃないでしょうか?自分の身を守るためにはコンドームを使用すれば良いのです。

キスでもうつる梅毒は厄介

親しみを込めて愛情表現の一つとしての「キス」という行為があります。梅毒はキスでもうつる可能性があるために、梅毒に感染している大人がこども達に愛情を込めてキスをしても理論的にはうつります。ってことはマスクをしていれば梅毒感染を防ぐことは可能といえば可能なんだけど・・・キスだけで終わる人は少ないだろうしね。

梅毒の場合、普通の生活においても大人→こども、との感染ルートはありえますが、こども→大人の感染ルートも考えられなくは無いのですが、さまざまな医学論文・ケースレポートを探してみてもそのような症例・報告を見つけることができませんでした。

こどもに梅毒感染に対する教育をどの学年で行うべきかについては明確な判断材料やエビデンスを持ち合わせていないので言い切ることはできないけど、こどもに感染予防対策を行わせるより、大人が気をつければいいのは2020年から問題になっている感染症と同じものであると、個人的には判断してます。

病期によって感染することもあれば、病期発病部位によっては感染しませんが、啓蒙的な意味として必要以上に「梅毒は怖いよ」を伝えたいため上記の表現を用いました。

次世代にまで禍根の残す梅毒感染

梅毒の問題点は次世代にまで明らかな悪影響を及ぼすことです。現在進行系の例の感染症は次世代になんらかの影響を及ぼしていたとしても、無治療の梅毒感染の女性から生まれた赤ちゃんの40%は死産あるいは出産後の感染により死亡することが知られています。

梅毒の好発年齢は男性は20-40歳代、女性は20歳代です。これって例の厄介の感染症と似た傾向がありますよね。活発に動き回る元気な人が感染しやすいと考えられます。じゃあ、こどもの感染はどうなのよ?と考えた場合、大人がこどものためにある程度気をつければ防げる点は梅毒もあの感染症も同様です。

裸の銃を持つ男「全身コンドーム」

これは「裸の銃を持つ男」ってお笑い映画の一シーン。感染したくないが嵩じるとここまでしないといけないのかもね。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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