トンデモ波動系「メタトロン」が困ったちゃんを大量に生み出す理由。

トンデモ医師の代表である内海聡医師の話は納得できる部分が無くは無いけど、そもそも医療機器ではない波動測定器、波動治療器、量子波動器なんてものを持ち出すのが諸問題の根源。

その理由として、医学どころか理系の知識がほとんどないド素人が医療の真似をしたがる為に加速度的にトンデモ系ニセ医学がはびこるとも考えられるからです。

意外や意外、波動系トンデモ内海聡医師の話に妙に納得

トンデモ系医師としてSNSで有名な内海聡医師。私とは真逆な思考で日夜診療にはげんでおります。両論併記が重要であると考え、買うだけ買って読んではいなかった、「量子波動器【メタトロン】のすべて」(内海聡/内藤眞禮生/吉野敏明/吉川忠久著 ヒカルランド発行)の第三章内海聡「メタトロンと食事療法」をじっくり拝読しました。

紆余曲折を経て波動医療とか量子医学(英語圏だと「bioresonance therapy」とかが使われています)と呼ばれる、到底標準的な医学とはかけ離れた疑似科学で裏付けられたトンデモ医学を選択した内海医師の話は科学的思考を放棄した場合は、それなりに納得というか腑に落ちるものでした。

  • 農薬中毒の患者さんが鍼治療で回復を経験したことが西洋医学以外の医療に興味をもったきっかけ(P145-146)。⋯まあ、n=1であっても医師歴が浅いと印象には残るでしょうね。
  • 精神薬の薬物依存問題に対する反対活動(P146 )。⋯たしかに薬だけでお腹がいっぱいになるんじゃないの、と感じるくらいてんこ盛りに処方されていた患者さんは以前は目に付きました。以前はね。
  • 肉食推奨者(ケトジェニック)と草食推奨者(ヴィーガン)が自分の正しさを主張しあって相手をけなすツマラナさ(P159-160)。⋯これは全面的に同意。
  • 医療機器の開発者は臨床医学を知らない、医師は医療機器の仕組みを知らない(P166-168) ⋯確かにその傾向は大いにあるけど、両者ともに高校レベルの物理も化学も学んでいるはずなんで、基本的な理解はできているはずなんだけどね。

しかし、このような考えがなぜ「すべての医学と親和しているメタトロン」につながり「霊的な部分まで表示するメタトロン」と崇め奉り「ハーブやパワーストーンとの相性、ホメオパシーレメディとの相性」にまで飛躍するのか理解不可能です。

各論の極々一部には同意できても、総論には全く同意できない私には一生、波動医学や量子医療を診療の基本的理論としている内海聡医師を受け入れることは不可能です。

海外でも波動系はあるにはあるけど、疑似科学・ニセ医学と解釈されています。例えば「Bioresonance, a study of pseudo-scientific language」(PMID: 15249751)や「Pseudoscience Friday: Bioresonance Testing」(https://www.medgadget.com/2006/07/pseudoscience_f.html)などを参照してください。

波動医学についてのざっくりの内容はこれをお読みください。

トンデモさが、ご理解いただけると思います。

量子波動器メタトロンは医療機器じゃない!!

内海医師が愛してやまないメタトロン、実は医療機器ではありません。メタトロンを取り扱っている業者メタトロン・ジャパン・グループのウェブサイト(https://metatron-jpn.com/)にはっきりと

量子波動器「メタトロン (MTR) 」は医療機器ではありません。また、医師や有資格者による診断を代行するものでもなく、病名や臓器の部位を特定し診断したり、治療する目的ではありません。

と記載されていますし、

お客様の意思によって実行される健康管理のための様々な情報をご提案いたします。

とも書かれています。

と、いうことはメタトロンは医師でも臨床検査技師の資格を持っていない医療のド素人の皆さまでもお気軽に購入して日常的な健康管理ができる!!ってことになっちゃうのです。

医療機器では無いメタトロンが薬機法には抵触しない点が、のちのち大問題を引き起こします。

薬機法・医師法の管轄外のメタトロンをありがたがる内海医師はメタトロンの診断と自分の予測が違う時は

一致しないときもあります。そういうときは自分の予測を優先しますがね。

前掲「量子波動器【メタトロン】のすべて」P161より

と語っています。

そんなこんなの量子波動器メタトロンを購入してしまったド素人がこんなことをしだしてしまうのです。

波動医学を振り回し、振り回されるトンデモ素人さん

アメブロにこんな投稿がありました。波動系をお仕事にされているのでモザイクなどの処理はしないで引用しますね。

波動からみた、私の新型コロナ🦠感染症ウィルス対策♡

発症してる方ではないですが 保菌してる方は、何人か測定しております。全く自覚症状がない方 少し微熱がある方 でも、共通しているのは、本人が、新型コロナ🦠感染症ウィルスを保菌してるかもわかってないのです。

https://ameblo.jp/ai-ichigen/entry-12589272033.html

おいおい、素人さんが波動測定で新型コロナ🦠感染症感染を診断しちゃっているよ〜!!

かなり難解な日本語は無視する大人の対応がトンデモさんと付き合うには必要です。続けます、

微熱が続いているので測定してほしいとお小水を送って頂きました。直接お会いして測定してもお小水でも、全く同じ数値です。

https://ameblo.jp/ai-ichigen/entry-12589272033.html

あのねえ〜、私は泌尿器科を営んでいるけど

お小水をペットボトルかなんかに入れて気軽に宅急便で送っちゃダメだぞ!!

そもそも、そのお小水にヘンテコなウイルスが混じり込んでいる可能性もあるんだからさあ。

この方のブログの解読は難行苦行であることは無視して、さら読み進みますよ(笑)。

新型コロナ🦠保菌者(笑)のお小水をメタトロンで測定したら結果はマナス6だったそーです。このトンデモ素人さんの診断は続きます。

マイナス6でした。 保菌されてる感じです。私のお友達には、新型コロナ🦠感染症対策に、あるハーブティをすすめております。そのハーブティを苦くならない程度の濃さにして50cc合わせてみました。

https://ameblo.jp/ai-ichigen/entry-12589272033.html

はあ???検体(?)とハーブティを並べてメタトロンでなんかを測定する意味はなーに???マイナス2になったら何が有効なの???

さらに医療関係者っぽいことをしたがるトンデモ波動測定士さんの実験は続きます。

https://ameblo.jp/ai-ichigen/image-12589272033-14742928576.htmlより

150CCに増やしてみましたら。。プラス19まで上がります。量もしっかり必要ですね。

https://ameblo.jp/ai-ichigen/entry-12589272033.html

この波動測定士さんは何を目的として、何を測定しているのでしょうか?こんな感じの代替医療とさえ言えない実験によって新型コロナ🦠感染症ウイルスの保菌者(笑笑)を判別して、アドバイスをしちゃう人がでてくる原因の一つが医師がメタトロンを使用しているからだと考えられます。

医師免許は当然保有していない、科学とも無縁だと思われる波動測定士さんがメタトロンを使用してセラピーを生業としてしまうのです。これがトンデモ医学である波動信奉者が予想以上にまん延している大きな原因だと考えます。

謝辞:こんなスッゲー波動測定士さんのブログを教えてくれたナカイサヤカさん(@sayakatake)、さすがASIOSの会員ですね。すてきな案件、ありがとうございます。

医師や民間医療に携わるものがメタトロンにすがる理由

医療機器ではないメタトロン、これはどなたでも気軽に購入できることによって多数の医師や民間医療(ほとんどは国家資格保有者)を営んでいる方が利用しているようです。

https://metatron-jpn.com/より

内海聡医師はこんなことを語っています。

メタトロンがその院の特長となって、患者さんが増えているという話をよく聞きます。

前掲「量子波動器【メタトロン】のすべて」p181より

この文章の小見出しは「メタトロンは経営の助けになる」、とド直球です。

現代医療の限界を感じたり、現代医療不信が波動医学や量子医療という疑似科学系トンデモニセ医学を選択する理由では無いことが十分に理解できて、ある意味では安心しました。

波動医療に関してここ数日間連続してブログ記事を書いてきました。なぜ医療関係者が波動医学に魅せられてメタトロンなんてものを使っちゃうのか、妙に腑に落ちたのでひとまずは波動シリーズは終わりとします。

しかし、アメブロの波動測定士さんの今後の動向が気になってしかたがありません。定点観測地点とさせていただきますね!!

波動医学と科学的思考外の感情的反ワクチンは親和性が高いので、この波動測定士さんがワクチンに対してどのようなブログを書くのか、今からワクワクしております。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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