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インフルエンザでオーストラリアでは73人が死亡❗今年の傾向と対策は?

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毎年、冬のインフルエンザ(季節性)が流行する時期になると、なぜかワクチン接種反対論が浮上してきます。

インフルエンザの予防接種しても効果がない、インフルエンザワクチン接種は副作用が怖い、なかにはインフルエンザワクチン接種を勧めるのは巨大ワクチン業者と医療関係者の陰謀だあ❗なんてことまで言い出す集団があります。

健常な成人ならインフルエンザに感染しても重篤な症状にはなりにくいのですが、高齢者や乳幼児は死に至る場合もあります。

インフルエンザ対策はワクチン接種が基本なんですけど⋯

2017年はオーストラリアでは9月までに73名がインフルエンザで死亡しているとの報告があります。

ちなみにオーストラリアの人口は2500万人程度です。さらに特徴的なのは大流行はあまりしないはずのB型インフルエンザも猛威を奮っているのです。

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緑色が大流行はしないと言われていたB型インフルエンザです。

インフルエンザワクチンによる副作用(ワクチンの場合は正式には副反応と呼びます)を喧伝する方々へはいままでさんざん反論を試みました。

このような反ワクチン派は一般的にインフルエンザ治療薬に対しても反対をする傾向があるので手のうちようがありません。エビデンスをもとにワクチンの危険性を訴える、あるいはインフルエンザ治療薬の副作用の多さを主張するのなら、それなりに一理あると考えますが、どうも化学物質忌避を拗らせて「ワクチン反対❗」的な方も多いようです。インフルエンザワクチンの効果等については今まで多くのブログを書いてきましたので、今回は2017年インフルエンザ流行をどのように防ぐかを中心に述べてまいります。

注意

インフルエンザワクチン接種はアレルギー等がある方の予防方法としては適切ではありません。

うがいは普通の風邪予防には効果あっても、インフルエンザ予防対策としてはあまり効果がない

今まではうがいがインフルエンザの予防法の一つとされていましたが、これ実はあまり効果ないとの研究結果がでていますので、首相官邸のサイトでも「うがい」は「インフルエンザ(季節性)に感染しないためにはどうすればいいのですか?」からは消え去っています。

うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません。

首相官邸

インフルエンザ予防対策として重要視されているのが手洗いです。

むやみに手を口につけない・目を擦らない、といったことも大切ですが、その手が清潔であればより安全です。

前掲の首相官邸サイトにも正しい手洗いの方法がイラスト入りで掲載されております。

正しい手の洗い方(首相官邸のサイトより)

ぜひご覧下さいませ。

インフルエンザに感染して苦しまないためにはワクチン接種が一番

どうしてもワクチンは嫌って人はとにかく手洗いを十分に行って下さいね。

手洗いによってご自分も感染から予防できますし、自分が感染したら次の感染源となって第三者に移すことにもなりますから。

冬じゃなくてもインフルエンザって流行しているよ

イメージとしてインフルエンザって冬に流行すると思っている方多数だと予想します。南半球と北半球では冬と夏が逆になっているから、年中インフルエンザが流行している、これは半分正解で半分間違いなんです。

実はインフルエンザが気候によって流行するのは温帯地方の特徴であって、熱帯地方では年中インフルエンザに罹患する危険性があります。厚生労働省検疫所サイトには2017年のインフルエンザの世界の流行状況について以下のように記載されています。

南半球温帯地域と南アジア、東南アジアの一部の国では、高いレベルでインフルエンザの活動が報告され続けていました。中米、カリブ海沿岸諸国のいくつかの国でも、引き続き、インフルエンザの活動が報告されました。(一方)北半球温帯地域では、インフルエンザの活動は低調なレベルにとどまっていました。世界全体では、インフルエンザA (H3N2) ウイルスが伝播しています。

厚生労働省検疫所サイト

海外に出張や旅行をしたことによってインフルエンザに感染するリスクは年中あるということをぜひ知っておいて下さいね。WHOの2017年8月6日までの世界の流行状況はこのようになっていて、南半球はもちろんのこと、熱帯地方では常にインフルエンザ感染が報告されていることがわかります。

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https://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_08_21_surveillance_update_296.pdf?ua=1

さあどうする今年のインフルエンザ対策

2017年、猛威を奮っているインフルエンザでの死亡者の81%はインフルエンザA型のH3N2であったとCNNは報じています。さらにCNNはこんなことも報じています。

インフルエンザのワクチンは毎年、南半球向けと北半球向けにA型とB型を組み合わせてつくられる。ニューサウスウェールズ州衛生局によれば、今年のワクチンに含まれる4種類のウイルス株は、流行しているウイルスとうまく合致していると思われる。しかしH3N2株に対するワクチンは、うまく合致していながら感染予防の有効性が低いことが分かっているという。

豪州のインフル感染、前年の2.5倍に 北半球も深刻化か

死亡者を多く出しているH3N2に対するワクチンの有効性が低いという文言が独り歩きしだした時の反ワクチン派のドヤ顔が頭に浮かぶのが非常に不愉快です。

今年のインフルエンザ予防接種に日本で使用されるワクチンは

  1. A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015 (IVR-180) (H1N1) pdm09
  2. A/Hong Kong(香港) /4801/2014 (X-263) (H3N2)
  3. B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
  4. B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

の4種類が成分になっています。

となると、インフルエンザA型におけるオーストラリアで効果が低いとされたH3N2の効果に疑問がでてくることになってしまいます。

私が調べた範囲の今現在はなぜH3N2株に対して効果が薄かったのかの理由はわかっていません。しかし、予想外に流行しているB型に対してはワクチン接種は効果がありますし、A型に対しても全く効果がなかったわけでもありません。

感染しない、感染を拡大しないためにはワクチン接種が予防法の第一選択であることにかわりはありません、

目黒区ではインフルエンザワクチン接種を10月から開始しますので、できるかぎり早めの接種をお勧めいたします。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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