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ヒルドイド乱用問題再燃❗患者さんも患者さんだけど、目的外処方する医師がまだいる模様。

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私は以前からヒルドイドという処方薬を化粧水や美容液の代わりとして使用する患者さんに対して、処方を拒むとどうして私にはヒルドイドを処方してくれないのよ❗と冷たい言葉を浴びせられ続けて参りました(苦笑)。

化粧水がわりにヒルドイドを処方する件、目的外処方問題が再燃しました

化粧水がわりにヒルドイド処方についてブログにしたのがこれ↓

怒号飛び交う「ヒルドイド逆ギレおばさん」?どうして処方してくれないのよ❗?

怒号飛び交う「ヒルドイド逆ギレおばさん」?どうして処方してくれないのよ❗?

医療用保湿剤「ヒルドイド(成分名:ヘパリン類似物質)」を美容目的で使う人が急増し社会問題化しましたが五本木クリニックでも「わたしは客よ、出しなさいよ」的な勘違い女性に突撃されました。なんと子供を使った悪質なケースもありましたので紹介します。患者さんはお客様ではありません!美容目的のヒルドイド処方は不正行為です。

まあ、その後も本来の目的以外で使用することがミエミエの患者さんの「ヒルドイド処方してちょうだい」は拒否し続けておりますが、いまだに美容目的でヒルドイドを保険診療で処方している医師がいるのです❗ほら、これね↓

【特集】医療用医薬品を美容のために⁉目的外処方の実態

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私としては何をいまさらヒルドイドの適応症以外の処方(違法だよ)を取り上げているのかは不明ですけど、Yahoo!ニュースのトップに掲載されておりました。

このヒルドイド、美容的な使用が目的で保険診療で処方してもらおうと思う患者さんも患者さんだけど、それに応じてしまう医師の方がかなり問題だと考えるわけです。

というのもヒルドイドに関して製薬会社はこんな文書を配布しています。→ ヒルドイドの適正使用に関するお知らせ

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処方しているのにこのインフォメーションを知らないわけが無い❗

ヒルドイドを適応症以外に処方してしまう医師の言い訳がすごい❗

今回のYahoo!ニュースの記事は実際にヒルドイドを処方している医師を取材しているところがなかなか興味深いです。ヒルドイドを処方している医師の話はこんな感じです。

「まあ日本中のあらゆるほとんどの開業医は断らないと思います。(開業医は)一応サービス業ですから」(開業医の男性)

だって。

あのさー、医療はサービス業だからといって、崩壊寸前の医療費を美容目的に使っていいのかよー❗

さらにこんな医師も⋯

「明らかに美容目的の患者には薬は出していない。『乾燥肌だ』と言う患者には処方している。ホームページについては知らなかった。事務員が書いたのだと思う」

どっかの政治家がなんでも不祥事は秘書の責任にしちゃうのと同じじゃん❗この医師とは関係ないですけど、じゃあこれはどうなのよ❗

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これどう見ても薬剤情報提供料をいただいて発行してんじゃないの?

ヒルドイドのジェネリックを化粧水代わりに塗ってください⋯美容目的じゃん❗

この件についての詳細はこのブログをどーぞ。

見つけちゃった→医師による保険薬の適応外処方?ヒルドイドを化粧水代わりとお薬手帳に明記❗

見つけちゃった→医師による保険薬の適応外処方?ヒルドイドを化粧水代わりとお薬手帳に明記❗

ヒルドイドを美容目的で使用するために、あの手この手で処方してもらおうとする患者さんサイドのモラルの問題もありますが、処方してしまう医療サイドが大問題なのです。処方しなければ社会問題にはなりませんから。そんな健康保険を使用して美容液代わりにヒルドイド処方している医療機関があるとのタレコミがありましたので紹介します。

まあ、医療はサービス業って言い訳にも呆れ返ったけど、目元のシワやくまにも効果があると書いたのは事務員、って言い訳もスッゲー。当院だったなんでもかんでも「院長の責任じゃないですかあ〜。院長が悪いんです、キーッ」ってスタッフに言われてしまいます。

ヒルドイドの適正処方をなんでこれらの医師はできないの?と素朴な疑問

私がヒルドイドが適正に処方していない件をブログにしたところ、販売先のMRさんがすっ飛んできて「今後はこのようなことが起きないようにします。でも、当方から違法とも言える処方をしている先生にダメとは言えないですから、ゴニョゴニョ」でした。ちなみにヒルドイドをOTCとして市販することも販売会社は検討したことともあるそうです⋯販売チャンネルが無いから却下だったらしいです。

もしも処方箋に関して変だなあ?と薬剤師さんが感じた場合は「疑義照会」といって、処方箋を発行した医師に「この処方はちょっと変じゃない?」と問い合わせするシステムがあります。しかし、薬剤師さんの立場としては医師に物申す的な言動は控えよう、との気持ちが先行してしまうようです。

薬の情報を医師に伝える仕事がメインであるMRさん、そして医師の処方に関して疑問を投げかけることのできる薬剤師さんより威張っている医師、そのようはヒエラルキーがヒルドイドの使用目的外処方が堂々と行われ放置されている元凶とも考えられます。でもなんで違法と言われかねないようなリスキーな処方をこれらの医師はしちゃうのでしょうか?私は以前から医業はサービス業を見習うことは重要だけど、サービス業とは一線を画するべきと主張しています。

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?

週刊現代さま、医療はサービス業なんでしょうか?

医療はサービス業の良い点は積極的に取り入れるべきである意味究極のサービス業ともいえるかもしれませんが、世間一般でいうサービス業とは異なるのが医業です。医療行為において、お店が客に対してとる態度と同じように医師が患者さんと接することはありえません。

開業医はサービス業です、とのたまう医師さま、サービス業だからといってヒルドイドを保険診療で処方すること、つまり医療財政に手をつけちゃう理由にならないぜ。

多分、皮膚科の医師が増加して開業する医師も増えているから経営が厳しいのかもしれません。さらに

皮膚科は単価が安く、患者一人あたり3000円程度。内科で1日40人程度を診るのと同様の報酬を得るには、皮膚科では100人診る必要があります

との話も(https://www.recruit-dc.co.jp/contents_feature/no1610a/より)。患者さんを引き寄せるためといえども、やっぱりインチキはマズイと考えるだよなあ。

そういえば商売上手な小林製薬さんがヒルドイドと同じ成分の市販薬を発売しております(さすが❗)。

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美容目的でヒルドイドの処方を希望する方にはこちらをご紹介すればいいのですけど、小林製薬アレルギーの私としては「ドラッグストアでヘパリンが入っているクリームありますか?」って尋ねてください、とお伝えしております。どうしても私は美容目的でヒルドイドを使いたいの❗って方は100パーセント自費でお願いいたします。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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