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ダイエットの整理です たぶん皆さん間違っています

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ダイエットに関する情報は、基本的な単語の知識が間違っていると、誤った情報を鵜呑みにしてしまう危険があります。PFCバランスのP(タンパク質)F(脂質)C(糖質)について、ずっと勘違いしていた!を今日からリセットしましょう。

糖質(炭水化物)とは

糖質は人間においてはエネルギーの基となっている栄養素です。実は他の栄養素である脂質やタンパク質も結局は糖質(ブドウ糖や果糖)などに変化してエネルギーとして体内で利用されています。体内では他の栄養素と比較して代謝が簡単なために即自的なエネルギーとして利用されています。

炭水化物の代謝経路

炭水化物は1gあたり4キロカロリーあります。

糖質制限ダイエットなどというものが一時期はやっていましたが、なぜかこの糖質は目の敵にされています。糖質はデンプンやグルコースの重合体であるグリコーゲン、二糖類のショ糖、乳糖、マルトースなどの種類があります。余分に取り込まれた糖質は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄積されます。しかし肝臓や筋肉で蓄積できる量にも限りがありますので、炭水化物は最終的には脂肪となって脂肪組織に蓄積されることになり、肥満の原因となります。

脂質 (脂肪)とは

1gあたり9キロカロリーあり、三大栄養素のなかでは質量当たりのエネルギーは抜群に多い栄養素です。人類の歴史は飢えと寒さからの危険からいかに自分たちをまもっているかという歴史でもありました。

質量当たり高カロリーの脂肪を多く摂取して、さらに体内に蓄積させ寒さから声明を守ってきた歴史です。少しでも余分に栄養を取った場合はいかに効率よくエネルギー源を体内に蓄積させるメカニズムが人間の体には備わっています。

しかし、現代のように簡単に栄養が取れる時代になりますと、余分に取った栄養をため込みすぎて健康を損ねる大きな原因となっている肥満の問題がクローズアップされてきました。

脂肪の主成分はトリグリセリド、健康診断などでみかける中性脂肪がメインとなっています。脂肪は単純に比較すると炭水化物の約2倍のエネルギーを蓄えていますが、水となじみ難い疎水性という性質のために、体内では水を含めた実質上の重さ当たりのエネルギーを比較すうると糖質の6倍のエネルギーを蓄積しています。

つまり、エネルギーをため込むには非常に有効な手段なのです。

脂質はクエン酸回路という体内のシステムによってエネルギーとなります。クエン酸回路においてオキサロ酢酸というグルコースの分解によってつくられる重要な物質があります。このオキサロ酢酸がないとクエン酸回路は進行しませんので、ダイエットで体内の脂肪を減らそうとするためには、オキサロ酸の原料であるグルコースつまり糖質は絶対に必要となります。極端に糖質を減らすと脂肪を燃焼させることが不可能になるのです。

クエン酸サイクル

タンパク質とは

タンパク質はアミノ酸から構成されている栄養素です。1gあたりのカロリーは4キロカロリーです。他の三大栄養素である糖質や脂質に変化します。体内で合成できないタンパク質は必須アミノ酸とよばれ、食事から摂取しなくてはなりません。

胃液等に含まれる消化酵素によって分解され、アミノ酸になってから小腸から体内に吸収されていきます。主に肝臓に送られ筋肉の原料となりますが、古くなったアミノ酸は尿素に変化して尿の一部として体の外に排泄されます。

タンパク質が糖質に変化することを知っていますか?

しかし、アミノ酸はブドウ糖に変化しますので当然血糖値に影響を与えます。タンパク質の代謝経路はアミノ酸の種類によって違ってきますので、複雑になっています。糖新生という変化が体内で起こりますので、グルコースが解糖系からクエン酸回路を利用してエネルギーになるのとは反対の動きをしてアミノ酸からグルコースが生成されます。

たんぱく質・アミノ酸の代謝経路

糖質制限を謳ったダイエット本が多く出ていますが、十分な説明をわかりやすく解説しているものは私は残念ながら目にしたことはありません。しかし、それらの本が目の敵にしているタンパク質が糖質に変化することは何故か記載されていないことが多い様です。タンパク質でも食べ過ぎると当然肥満を招きます。

注意

高濃度のタンパク質は肝臓に負担をかけ肝機能障害を起こす可能性があります。筋肉をつけようとやたら高タンパク質食を心がけている方は注意が必要です。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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