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医学誌に掲載されたと広告する「シワ消しクリーム」、論文のご提示願います!!

化粧品の効果や効能を明記することは薬機法で厳しく制限がされています。しかし、化粧品とくにインチキ化粧品の広告主はギリギリの線を狙って効果や効能を消費者に植え付けます。医学専門誌でその効果が明らかにされた化粧品だと、多くの人は効果や効能を信じてしまいます。しかし、学会誌に掲載されていようが学会で発表されていようが、必ずしも効果・効能が証明されたことにはなりませんし、学会誌・医学専門誌に掲載されたことさえウソの場合もあります。

やっぱり人は権威に弱い。勝手に名前と写真を使われちゃった例

ついこの前、赤の他人の写真を権威ある米国の医学部教授のものとして、ちゃっかり利用しているダイエットサプリの広告を俎上に載せました。

人はどれだけ権威に弱いか。白衣・医師・大学教授、最上位は米国の大学教授かな?

その数日後にこんな騒動が起きていたのです。

「東大農学博士と湘南美容外科の医師」が絶賛していると販売の脱毛クリーム(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1908/13/news097.htmlより)

医師や博士に弱い、権威に弱いユーザーが一定数存在することをこの脱毛クリーム販売業者は十分認識していたのですね。

私が以前から気になっていた

私は「学会で発表」「学会誌掲載」を大々的にアピールしているサプリが気になっていました。 たまたまこんな広告を見かけましたので本当に医学誌にこのサプリのことが掲載されていたかを余計なお世話でしょうけどチェック致しました。

SmartNewsより

もちろん「広告」と書かれていますので、全面的に効果効能を信じちゃう人は稀だとは思います。でも「医学誌掲載」となるとそれなりの効果やそのメカニズムは解明されているだろうなあ、と受け止めてしまうと思うのです。

医学誌掲載って書かれているけど、その内容は⋯・

ほうれい線を消すと称する美容クリームのネット広告ではシワ消し効果が、シワ消し専用成分によって可能になり、あたかもその現象について医学誌に掲載されたかのように書かれています。

このシワ消しクリームのことが掲載されいる医学誌はこのサイトによればこれらしいです。

前掲サイトより

医学誌である「診療と新薬」2018年2月号の目次はこのようになっていて、シワ消しクリームに関する研究論文はありません!!

英文の「The Functional Food Containing Lactobacillus and Dietary Fiber for Amelioration of Bowel Movement in Healthy Japanese」がひょっとしてこのシワ消しクリームに関する論文かと思って調べたけど、全然関係なさそうです。

となると、残るは「化粧水とクリームの併用による赤ら顔改善効果」だけになりますよね。この論文はPDFで誰でも読むことが可能です(https://www.shinryo-to-shinyaku.com/db/pdf/sin_0055_02_0124.pdf)。

あたかも「診療と新薬」にこのシワ消しクリームに関する論文が掲載されているかのような見せ方である、向かって右側の症例写真風のものはこの論文からは確認できません。

あと残るヒントは「ヒト型セラミドのシワへの効能報告」と書かれている記述のみです。

検索しても全く引っかからない論文ってあるの?

診療と新薬は医療関係者であれば、掲載論文を検索することが可能となっています。今回取り上げたほうれい線の悩みを解決してくれるシワ消しクリームに関する論文が本当に掲載されているのかを調べました。その結果はこれ!!

シワ消しクリーム関連の論文なんて、検索結果0件じゃん!!

広告主が掲載誌を間違ってアップした可能性も考慮して、キーワードを「ヒト型セラミドにシワへの効能報告」にて他の医学誌を検索したのですが⋯私の検索能力が低いためか、まったく引っかかってきません。

セラミドの効果は期待できるけど、この広告手法は業界全体の信頼度を失います

学会で発表され、特許を取得して、さらに医師が推薦してもそのサプリが安全であり効果があるとは限らないことは、以前お伝えしています。

前立腺がんを治すサプリ、学会で発表して、特許取得して、医者が推薦していても、その効果は怪しすぎ?

その後、これを販売していた会社の責任者が逮捕されたとの報道もありました。

また医学誌に掲載と大々的に広告して「幹細胞美容液」を販売していた会社の社長(青汁王子と呼ばれていたらしい)も脱税で逮捕されたとの報道もありました。

医学誌に掲載!「幹細胞美容液」の信ぴょう性に大いなる疑問が⋯。

自分のところの製品を批判しているサイトへの妨害も噂されていたっけなあ⋯。

私が感じるのは、研究開発中で将来医学に役立つ素材は多数あるのにコマーシャルベースに乗っかってしまうとロクな結果にならない、とのことなんです。投資家や企業に巻き込まれてしまった研究者は、その理由として研究開発費の問題もあるとは思えるのですが、営利機関はとにかく研究している素材の結果を急ぎます。

例えば今回気になるほうれい線問題を簡単に解決してくれる、夢のような美容クリーム、シワを速攻で消し去ってくれる美容クリームの主成分はセラミドと呼ばれる、ヒアルロン酸よりも保湿効果が高いと考えられている素材です。

あまりにも乱暴な広告手法がまかり通ると、化粧品業界の将来さえ潰しかねないのではないでしょうか?

星の数ほどあるように感じられるネット広告、その中には問題を含んだものも少なくありません。ネット広告に関するチェック機能はネット業界だけでなく、化粧品業界でも自主的にチェックするような組織が必要なのではないでしょうか?

と、一瞬感じたのですが、大手によって新興企業が潰される可能性も無くはないですね。実際の診療に当たっている医師はとにかく「敵を知る」ことが重要になってくると強く感じています。

ちなみに、ほうれい線に対して色々な試みが美容医療では行われています。どれもこれはある程度高額な費用は必要となるので、「安物買いの銭失い」は正しい格言である、と判断して間違いないかもしれません(そういえば、無茶苦茶にボッタクっているクリニックもあるかあ⋯)。

もしも、このシワ消しクリームについての医学誌に掲載された論文がありましたら、広告主はご提示くださいませ、じっくり検証させていただきます。