「塩」を水槽に入れたら魚が死んだ!?そりゃ当たり前だ(怒)恐るべし、オーガニック信者のマクロビさん

世の中には「トンデモさん」と呼ばれる疑似科学・ニセ医学を「今までの常識を覆す私は大発見した!!」と自画自賛する、あるいは科学・医学を全く理解しないでそれらの話を真に受けちゃう信者さんが多数存在します。

スーパーに並ぶ塩は魚を全滅させる??

久々の大型新人トンデモさんを発見しました。その方がおっしゃることは、一時間半で全ての魚が死亡した危険な「塩」の正体はスーパーに並ぶ塩と同じだった!です(http://macrobiotic-daisuki.jp/shio-erabikata-kiken-15327.html)。

韓国のテレビ番組中で塩を入れた水槽に海水魚を入れたところ

食用の塩を入れた水槽の魚が1時間40分後に全滅した!!

との驚愕の事実を示した後に「イオン交換膜製塩法」で作った塩の危険性を主張する展開です。

IN_YOU___Journal_for_the_Macrobiotique

金魚を飼ったことがある方は多いでしょうけど「海水魚」をうまく飼育するには、多額の費用とメインテナンスの時間が必要となります(私は経験者)。いくら塩分の濃度を同じにしても、海水は食塩水ではなく、様々な成分が含まれていますので、海水と同じ濃度の食塩水の中で海水魚が生きられるはずがないのです。人間だって酸素だけ吸っていても生きることができないのと同じことです。

実験をすることは良いことです。子供が興味を持って聞いてくれるネタに困った教師がこんな与太話を教育の場で教えてしまうこともありえます(例 EM菌)。

インチキ話に興味を持つとトンデモないことが待っている可能性も

サイトのURLからもわかるように「マクロビ」信奉者であり、さらに「塩を変えれば体は良くなる!?間違いだらけの塩の常識」(著者上田 秀夫 出版 現代書林)の影響を受けているようです。

基本理念を読むと「オーガニック信者」であり「東洋思想かぶれ」であり、もちろん「添加物批判」「化学肥料批判」「遺伝子組換え食品批難」とトンデモさんが信者さん獲得のために使いうニセ医学・擬似科学を網羅しています(多分、もちろん反原発派でしょうね)。

実は知人の某公安関係者と雑談をしていた時、その人は「今時のカルト集団って子育て中のママを狙っているんだよね」とボソっと囁きました。ちょっと理系を学んだレベルのままでは失礼ながら深く理解することが難しい「核物理学」をそれ風に説明して「放射能汚染」(本来ならば放射線汚染)された食べものの危険性を訴えるのは敵ながらあっぱれな戦術です。

こんな輩も出回っています

こんなバカ話に一番敏感に反応するのが、子育て中のママであり出産を望む女性です。

ダイエットブームや海外のセレブの影響もあり、マクロビオティック(本当は日本発)が再度注目されています(この食事方法は確実に宗教の影響を受けています)。

常識的な判断力があれば「あれっ」と思うはずなんですけど⋯

今回取り上げたトンデモさんのサイトはお薦めの商品がずらっと並んでいるので、取り扱い商品を売りたいがために、他の商品を批判しているんだ、と普通は考えます。また商品をクリックするとAmazonのサイトに飛びますので、アフィリエイトなのかもしれませんね。

でもね、純真無垢なママは「なんて親切なサイトなんでしょう」と考えちゃうんですよ。買ってはいけない、使用してはいけない食品をわかりやすい実験で証明?してくれて、さらに安全な食品を教えてくれる。さらにさらに、クリックするだけでオーダーできちゃうなんで、親切じゃないの!!って具合です。

私のブログを読んでくれている方はこんな思考回路はとらないでしょうけど、皆さんのご存知ない世界ではこのような「自分の頭で考えることを放棄」した方もめちゃ多数いらっしゃるのです。

そのうちに「水素水に魚を入れたら長生きした!!」って実験でませんかね(笑)

産経ニュースが2016年5月16日に、今話題の水素水はたんなるアルカリイオン水であり、健康に良いか不明、あるいは全く効果ない、との趣旨の記事を掲載しました。

しかし、残念なことに純真無垢な「水素水」信者さんは、決してこのような記事を目にすることはないでしょう。人間は自分の信じたことには注目をするが、それに反する情報は意識しなくても目に入らないのです。このブログも読んではくれていないと思います。

意味のない付加価値に支えられた高額な水素水あるいは水素水派生商品を購入している人は、多分周囲からはいい人と思われる善意の人も混りこんでします。

この純真無垢な善意の人の取り扱いが厄介なのです。商品をマルチ商法に利用している輩がいるとも知らないで「私が使ったらとっても良かった」「これ体によいって評判なんでプレゼントするわ」って感じでインフルエンスします。身銭を切ってニセ医学・疑似科学グッズをプレゼントしまくるのです。「いい人、善意の人」がいうのだからこれは絶対にいい商品であると思い込んで、プレゼントされた人は再購入に至る次第です⋯これで悪意のある販売者は儲かるのですね。

今回取り上げたトンデモさんにアイディアをお送りします。淡水魚(金魚がオススメ)を水素水と一般の水道水で飼育してみてください。水素水で育てた金魚が長生きした!!水素水でこんなにデッカく育った!!などの報告をお待ちしていまーす(笑)

いくら、意味ないよ、とか、騙されてるんだよ、とか言っても意味がないことはよーくわかっています。ご自身で気づかない限り。ですので、水素水や生成機器などを購入された方は是非ともご自身で試してみてください。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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