【ワクチン格差】ワクチン接種を邪魔するのは反ワクチン一派だけじゃないかも。遅れる理由はこれ!

都内のおけるワクチン格差が問題となっています。

ワクチンの個別接種を行なっている医療機関が思いの外に少ないです。微力ながら個別接種を行い都内における目黒区のワクチン格差を無くすべく、休診日にワクチン接種を行おうと計画していたところ予想外の横槍が入ってしまいました。

23区別の接種率競争、これがワクチン推進を抑え込んでいる可能性がある

なぜ日本のワクチン接種は遅いのか?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210513/k10013026071000.html

日本のワクチン接種が遅い原因として様々要因が考えられています。私が体験したワクチン接種を遅延させている原因の一つについて述べさせていただきます。

効率よく業務を推進させる方法の一つとして競争原理を取り入れることは一般企業では普通だと思います。死亡者、重症者を少なくして感染蔓延を防止するために全国でワクチン接種事業が自治体の判断のもと行われています。

腰の重い自治体のお尻を叩く意味であるかは不明ながら自治体別の接種率が取り上げられています。

都内23区の接種率

https://www.sankei.com/article/20210807-CCPYAJLQBJI43DKJLF7GA2BIVQ/

普段はあまり競争はしたことのない自治体の職員と思われる方からこんなメールを頂きました。メール全文はかなり厭味ったらしい言葉も含まれていましたが割愛します。

「お住いの自治体での接種が原則であり、例外の取扱いのひとつとして、基礎疾患を有し、かかりつけ医のもとで接種する場合に限り、他の自治体にお住いのかたへの接種が可能」の旨、ご理解いただけているかと存じますが(以下省略)

これってひたすら自分が所属する自治体での接種率を上げるためのお小言としか私には受け止められませんですし、休日出勤に協力してくれるスタッフ一同モチベーションがだだ下がり。自治体職員が供給を確保するために苦労したことは理解できます。

私としてはワクチン接種に関しては様々な犠牲を払いつつなんとか感染者を減らし地域医療が崩壊しないように微力ながら協力しているつもりなのに。さらになぜ手間暇のかかる接種予約を電話で行っているのか、などについて後ほど述べさせていただきます。

ちなみに行政はワクチン一瓶から6回分の確保できるとしていますが、実際の医療現場では7回分確保できることが多数報告されており、この7本目を使用することによって約17%余分に患者さんへワクチン接種できることをお伝えしておきます。

目黒区の区議さん、及び目黒区議会のご尽力によって7本確保しやすいシリンジと針の予算の確保が出来たようです。関係者の方々にあらためて感謝いたします。

行政側に抗議をしたりするのは時間の無駄であると考え、反ワクチン一派以外にもワクチン接種事業を遅延させる獅子身中の虫についてのお話をさせていただきます。

都内のワクチン格差はワクチン接種券の利用制限も原因の1つ

道を一本はさんだら他の区、患者さんは区境なんて意識していませんよね。

私が営んでいるクリニックの住所は目黒区なんですが、持病で通院している患者さんの30%から40%は世田谷区の住民です。都内の場合、道一本隔てて隣の区と接した場所で開業しているクリニックも少なくはないと思われます(例えばJR山の手線の目黒駅は品川区にあるしね)。

毎年のインフルエンザワクチン接種は世田谷区のクーポン券でも受けられるようになってかなりの年月が経過しています。しかし、今回のコロナワクチン接種に関しては自治体の村意識が強くでているため(もちろん貴重なワクチンの供給は自治体単位であることは重々承知しています)、住民票があるところでワクチン接種を受ける原則が存在しています。

こうなると県境を越えての移動自粛要請以前に区を越えての移動自粛、市町村をまたいでの移動自粛要請でも出すしかないじゃん。

高齢者や基礎疾患をもった患者さん以外のワクチン接種が今となっては重要です

目黒区のウェブサイトによれば令和3年7月末時点で目黒区に住民票がある高齢者のワクチン接種は80%以上完了しています。

高齢者のワクチン接種は目黒区では集団接種会場で行われて、私も接種する側として参加しました。今現在、感染者の多くは若い世代であることは様々な報道でご存知ですよね。

年代別東京都感染者数

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/by-age-tokyo/

高齢者の感染者が激減し、重症者・死亡者がだだ下がりしている要因はワクチン接種が行き渡ったからと解釈するのが妥当です。いま医療崩壊を引き起こし医療機関を逼迫させている大きな原因は若い世代の感染であり、若い世代であっても重症化することなんじゃないですか?

ワクチン接種の優先順位は、高齢者 → 基礎疾患のある方 → それ以外の方、となっています。いま問題になっていてワクチン接種を推進するべき対称は若い世代のフェーズに入っていることは誰でも感じているはずです。

40ー50歳代、そしてそれ以下の年齢層の感染を抑え、職場内感染・家庭内感染を抑制するにはとにかくワクチンを打って打って打ちまくるしかないと思うのです。

接種の報酬のために休日にワクチン接種しているわけじゃない点にご理解を

言葉尻を捉えたご意見にかなり腹が立ってきています。当院の場合、ネット予約ではなく旧態依然としたオールドコミュニケーションツールの電話でワクチン接種の予約を受け付けています。

ワクチン接種を受け付ける側の当院スタッフは接種希望者の名前をお尋ねして、電子カルテで当院の受診歴を確認します。また国が定めた基礎疾患に相当して当院を受診しているかもチェックします。

ちなみに自治体から基礎疾患がある方へのワクチン接種券の送付は少なくとも目黒区ではすでに完了しているはずです。

基礎疾患があるかたと高齢者施設等の従事者への接種券の優先発送の申請受付は終了しました。申請いただいたかたには、令和3年6月25日から順次発送しました。

目黒区HP「目黒区のワクチン接種の状況」より

基礎疾患が無い50歳以上の方への接種は令和3年7月9日から受付が開始しており、40歳未満の方の接種は令和3年8月12日から受付が開始です。指摘された私のツイートは普段は休診日である8月22日(日)に仕事などで接種を受けにくい方に対してのものであることは一連のツイートやウェブサイトの記述からご理解いただけるはずですし、優先順位があることは明記してあります。

個別接種のお知らせ

https://www.gohongi-clinic.com/

あのさあ、普段は定休日である日曜日に例えば30人を対称としてワクチン接種したとすると、報酬としていただけるのは

2070円 × 30人 =6万2100円

そこから受付スタッフの休日出勤加算された人件費、休日出勤した看護師の人件費を引いたら多分利益はゼロ、下手すりゃマイナスになってしまいます。

これじゃあ、個別接種に手を挙げる開業医が少ないわけです(もちろん開業医の多くは営利のためにワクチン接種を行なっています)。個別接種を行なっている目黒区内のクリニック(診療所)だと35クリニックだけですし、その中で休日に対応しているはゴクゴクわずか(休日に個別接種を行うといくらかのお手当はでるそうですけどね)。

これは昨日深夜の私のツイートです。

tweet桑満おさむ

https://twitter.com/kuwamitsuosamu/status/1424046452095913993

カッカしていると感情的になって支離滅裂になるかもしれないので、しっかり睡眠をとって翌朝に今回のブログ記事を書きました。

感染拡大を防ぎ地域住民および国民の命を守れる唯一の医療的処置はワクチン接種です。これを旧態依然とした村意識なのかセクト主義なのか上の方からの指示なのかは知らんけどガッチガチのお役所頭では感染拡大防止は遠のいていくばかりなんじゃないでしょうか?

こんなのも書きました。

ぜひお読みくださいませ。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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