痛いの痛いの飛んでいけ〜効果を医学的に検証してみました。

お母さんカンガルーのお腹から落ちた赤ちゃんカンガルーをオスのカンガルーがなでなでする微笑ましいニュースを見ました。まるで人間のようですね。

落ちた赤ちゃんカンガルーをよしよしするオスのカンガルー

https://www.fnn.jp/articles/-/245897

ところで人間の場合、痛いところに手を当てて擦る、なでなでする行為を知らず識らずのうちにやっていますよね?あれっておまじないなんでしょうか?あるいは科学的医学的になんらかの効果があるんでしょうか?

「痛いの痛いの飛んでけ〜効果」について医学的に考えてみますね。

痛いところに手を当てて、ダメージを受けた部位をさする行為は本能なのか?

お腹から落ちた赤ちゃんカンガルーも痛いの痛いの飛んでけ〜!されていたわけですが、カンガルーでもやっちゃう痛いところをなでなでってことは、生き物にもともと備わっている行為として傷んだところをなでなでしてしまう、と考えることができます。

私たちが原始的な生活を送っていて、ヤリなどをつかって獲物をゲットする時に仲間あるいは自分のヤリがぐさりとお腹に刺さったら、当然その損傷した部位に手を当てると思います。手を当てる理由として

  • 出血しないように止血目的で押さえる
  • 傷の損傷具合を知るために手を当てて確認
  • 痛いから手を当てる

が考えられます。3番目の痛いから手を当てる行為、これは原始時代から人類が獲得した性質だと思っていたのですが、今回の赤ちゃんカンガルーの事故(?)の様子をみると赤ちゃんカンガルーは自ら手を当てることができなかったために、オスの大人のカンガルーが代わりになでなでしながら、「痛いの痛いの飛んでけ〜!」って言っていたに違い有りません

「痛いの痛いのとんでけ〜」による疼痛除去効果は人類だけではなく、他の哺乳類(あれっ、カンガルーって哺乳類でいいんだっっけ?有袋類とか余分だったっけ?)にも知られていた秘術なんですね。

まあ、カンガルーが「痛いの、痛いの」って言っているかについては不明ながら話を進めてまります。

別件:あのさあ、なんで「痛いの痛いの」って書こうとすると、「遺体の遺体の」って変換されちゃうんだ、これって使っているiMac27が悪いのか、Google日本語入力が変な言葉を憶えてしまったのか。どちらにしろiMac27に向かって「めっ❗」と叱る必要がありそうです。

海外でも痛いの飛んでけ〜!を使っているっぽい

英語で「痛いの痛いの飛んでけ〜!」はたぶん、「Pain, pain, go away!」って感じになると思います。

そこで英文の医学論文のデータバンクであるpubmedで「Pain ,Pain Go Away!」で検索してみたところ痛いの痛いの関連の医学論文が複数見つかりました。

例えば「How can we make the pain go away? Public policies to manage pain at the end of life」(PMID: 18728292)では終末期の痛みの除去について書かれていますが、ちょっと子どもを対象としたものでは無いので他の論文を見てみますね。「Pain Pain Go Away: Improving the vaccination experience at school」(PMID: 30948917)では学校で予防接種を行う上で注射による痛みが問題になり、下手すりゃ親が自分が痛かったために子どもに予防接種を受けさせない選択にも繋がり兼ねないことを報告しています。

「Psychologically coping: pain that won’t go away(PMID:17989752)という医学論文では、痛みは患者さんにとっても医師にとっても不利益なものであり、特に開業医の場合は痛みを除くことが重要であることを伝えています。

残念ながら痛いの痛いの飛んでけ〜によって痛みが緩和されるかについての英文の医学論文を見つけることができませんでしたが、時間がある時に他のキーワードで探してみますね。

医学的科学的な根拠も無いわけじゃない

「痛みを伴う処置に混乱している幼児後期の子どもと医療者の相互交渉の特徴」(小児保健研究オンラインジャーナル 第78巻 第1号,2019 (23〜32))という論文があり非常に興味深い結論を導いています。

子どもは痛みを小さくしたい、痛みから早く解放されたいと考えているのですから、子どもの気持ちを汲んで共感することで落ち着きを取り戻すことができる、と書かれています。痛くないでしょ、我慢しなさい、などで子どもに我慢をさせるのは悪手なんしょうね。

また、子どもに対して遊びを取り入れることの有効性をこの論文は伝えていますし、子どもの痛みに対して共感を示すことの重要性についても書かれています。

この論文から読み取れることは、

痛いの痛いの飛んでけ~、は医学的検証によって有効である

と言えるような気がしないでもないです。痛いの痛いの飛んでけ~、と保護者が遊び心をまじえて痛みに耐えようとしている子どもに接することはかなり有効である可能性が出てきました。

手かざしまでなってしまうと厄介かもね(汗)

ここからはトンデモというか医学的に検証は不可能と考えられるお話です。

病気を治す方法として「手かざし」なるものがあります。駅とかで手かざしをしてくれる親切なひとたちに遭遇したことがある方もいるんじゃないかな?

実は手かざしをしている流派は以前は身体に触れて治療(?)をしていました。

若い人の中では知らない人もいるようですが、昭和の時代に日本は米国などと戦争をしていました。戦時下にはいろいろな今考えると根拠不明な規制が多くの業種に設けられたんです。ある宗教系のグループが手から発せられるパワーで病気を治すことを積極的に行っていたことも規制の対象になり、「第三者に直接触れて医療行為的なことはしてはいけないよ」との厳しいお達しが出たのです。

このお達しに触れないようにする方法を模索したその方たちは、第三者に直接触れることなく治療(?)をする「手かざし」を開発したのです。

ご興味のある方はこれを読んでくださいませ。

手かざしの上をいく、遠隔治療に関してはこれをどーぞ。

遠隔診療はこれからさらに活用されると考えていますが、ヘンテコなスピっているのかオカルトなのか方面の人々もいますのでお気をつけ下さね。

本来は「ゲートコントロール説」とか神経伝達の話やC線維やエンドルフィンなどの関係を書きたかったのに、右肩痛のためリリカを服用しているので副作用のためか少々雑なブログ記事になったかも。

石川啄木の歌のパクリ

たはむれに ブログを書いて そのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず おさむ

   

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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