【白玉点滴効果なし】グルタチオンの美白効果は臨床的な裏付けは無いんだけどね。

抗酸化作用による美白効果目的で行われている「白玉点滴」。実はこの白玉点滴の主成分であるグルタチオンに関して臨床効果を明らかにした文献はごく少数です。

さらに美白効果を支持するエビデンスは無いのに美容クリニックやオーソモレキュラー療法を行っているクリニックではガンガン使用されていることに少々疑問を抱いています。

薬効を裏付ける論文や添付資料が無いじゃん!!

多くの美容クリニックが採用している「白玉点滴」なのですが、クリニックの薬品棚にグルタチオン注射薬の箱を見つけて、「これなに使うの?」と白々しい問いかけを美容部スタッフにして、「白玉点滴が今流行っているんですよ〜」との返答の途中で医療廃棄物ボックスに放り込んだことがあります。

白玉点滴注射の主成分であるグルタチオンについて以前武田薬品のメディカル(MRさんより詳しい情報を知っている、)方と文献を調べたことがあるのですが、グルタチオンが処方薬として承認・認可された1972年当時の厚生労働省の仕事はゆるゆるであったようで詳しい経緯は不明なんです。

1995年に再審査・再評価がなされているのは事実であったとしても、効果・効能は薬物中毒・肝疾患・湿疹・放射線療法による白血球減少症・角膜損傷の治癒促進、そして美容皮膚科やオーソモレキュラー界隈が効果を期待して拡大解釈をしていると思われる美白効果の裏付け風の炎症後の色素沈着などがあります。

しかし、公的資料を調べ尽くしても「美白効果」を実証した経緯は見つかりません。白玉点滴の主成分であるグルタチオンで美白効果はもとより炎症後の色素沈着を改善したことさえ存在しないのです。

グルタチオンの飲み薬に抗酸化作用があるのはエビデンスがあるけど・・・。

グルタチオンの抗酸化作用を裏付けるダブルブラインド試験による論文があります。2015年に発表された論文ですからグルタチオン人気の風潮が世間一般に広がった後のものですね。

「Randomized controlled trial of oral glutathione supplementation on body stores of glutathione」(PMID: 24791752)では経口で使用するグルタチオン(日本の処方薬だとハイチオールと同じかな?)を健康な成人に投与して血液や口腔内粘膜におけるグルタチオンの濃度を6ヶ月に渡って調べています。

その結果、血液中のグルタチオン濃度の上昇が認められたために、グルタチオンは抗酸化作用がある!!との結論になっているのですが・・・

ちょっと待った!!グルタチオンの効果を示した論文は誤解を招くぞ!!

との意見も出ているのです。「Commentary to “Randomized controlled trial of oral glutathione supplementation on body stores of glutathione”」(PMID: 25792077)がグルタチオンの効果に対して疑義を呈した論文です。

グルタチオンの美白効果は安全ではないと警告が出ていますぜ

米国のFDA(日本の厚労省と同じような機関)は「UNSAFE USE OF GLUTATHIONE AS SKIN LIGHTENING AGENT」との警告を表明しています。

白玉点滴の美白効果は実証されていないとFDA

https://www.fda.gov.ph/fda-advisory-no-2019-182-unsafe-use-of-glutathione-as-skin-lightening-agent/

フィリピンの美容医療機関やエステでグルタチオンの美容効果を期待して点滴などが行われていることを受けて、

グルタチオンの美白効果に関しても臨床試験は存在しないし、肝臓・腎臓・神経系に副作用があるぞ!

とのかなり厳しい内容の注意喚起になっています。グルタチオンがメラニンの生成に影響を及ぼすことを考慮すると、なんと皮膚がんのリスクさえ高まる可能性が理論的にはありうるとも書かれています。

また日本の美容皮膚科クリニックやオーソモレキュラー療法を実践しているクリニックでグルタチオンと同時に点滴されるビタミンCによる腎結石という副作用も懸念されています。

グルタチオンについて、とあるオーソモレキュラー療法を行っているクリニックではこのような説明が・・・。

グルタチオンはサビ取りをして疲れたビタミンC(酸化型ビタミンC)をもとの元気なかたち(還元型ビタミンC)に戻してくれます。

https://www.orthomolecular.jp/nutrition/glutathione/

ああ、嗚呼、やっぱりグルタチオンの抗酸化作用を期待しているのですね。さらに、グルタチオンの美白効果に関しては、

ブームとなった白い肌。グルタチオンは美白と関係しているともいわれます。グルタチオンは日焼けでできる黒色色素メラニンを抑える働きがあるといわれています。

グルタチオンに美白効果があると断言はしないで、「関係しているともいわれています」「といわれています」がこの短文中に2回も出てきちゃっているんだよなあ。

やはりFDAが警告を発している、グルタチオンによる美白効果は臨床的な効果は実証されていないよ!が正しい判断なんですね。

臨床効果が実証されていない白玉点滴を行っているクリニック

白玉点滴をおこなっているクリニックをググってみた結果です。トップにかなり気になるクリニックの名前が出てきていることによってさらに私の白玉点滴への興味は深まるのでした。

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執筆した医師

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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