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陽性率64%!!抗原検査キット不足、じゃあ症状だけで診断できるか?

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地域密着型で診療を行っている当院は地域医療に微力ながら貢献したいと考え、発熱外来を設置しています。発熱相談センターに連絡して当院を紹介された方を中心に抗原検査とPCR検査を一日10名から15名程度のキャパで行っています。

普通の開業医でも受診者の64%が陽性!!

抗原検査はその場で結果がでるために有効な検査なのですが、偽陰性の場合があるためにPCR検査も同時に行っています。最近の検査結果としては

有症状者の陽性率は64%!!

と驚くほど高率でコロナ感染している状況にひやりとしてはいるのですが・・・多くの方は高齢者では無く重症化リスクが高い方は稀である点が救いではあります。

抗原検査の結果

ちなみに普段から当院を受診している患者さんの中で行政検査で陽性判定された方は現時点ではゼロなので、私が口を酸っぱくして普段から感染予防対策とワクチン接種を促し接種歴を確認しているのもなんらかの効果があると考えられます。

抗原検査で陽性ならばPCRも陽性

抗原検査の精度は臨床上は満足のいくものですが、むやみやたらと検査しても偽陽性・偽陰性は必ず出てしまうので、確定診断としてPCR検査と併用することによって見逃し症例を避けることができると考えてよいでしょう。

現時点で抗原検査が陽性でPCR検査が陰性という症例は当院では経験していません。一方で抗原検査が陰性だったけどPCR検査で陽性と判定された方は5%程度確認しています。

有症状に限って言えば、通常の風邪や今シーズンも少ないと考えられているインフルエンザとの見分けをするために抗原検査は有効・有用な検査方法と考えられます。

そんなこんなの抗原検査に絶対必要な検査キットが欠品状態になっています。在庫が20キットとなってしまった当院の行政検査体勢は今週中に継続不能になるか、あるいはPCR検査だけで済ますのか悩ましい状況となっています。

なぜ抗原検査キットが欠品状態になってしまっているのか?その一つとして、「なんとなーく心配だから検査する」「なんとなーく検査してみたい」レベルの方向けに某自治体が20万回分の検査キットを買い占めちゃったことが挙げられます。

世田谷区が無料抗原定性検査キットの配布!!

世田谷区 薬局などで抗原検査キットの無料配布

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220118/k10013436251000.html

当院に隣接している世田谷区が抗原検査キットを20万キット用意して区民に限って配布するとのことですが・・・、

これって野良抗原検査になっちゃうのでは??

さらにさらに抗原検査占いで20万キットも世田谷区が買い占めちゃうことによって、間違いなく医療機関の抗原検査キット不足を助長しているんじゃないでしょうか?

抗原検査で陰性だからといってもすり抜けてしまうことは少なくありません。現在流行しているウイルスの問題点は感染力が強いことですからね。

区民へのサービスとして、「どこでも誰でも無料で抗原検査」を打ち出した世田谷区の区長さん。目立ちたがりの人気取りとしか私は思えないのです。まあ、私としては今までの確執があるから気になってしまうのかもしれませんけどね。

「いつでも、どこでも、何度でも」世田谷モデルは日本を救う⁉

「いつでも、どこでも、何度でも」世田谷モデルは日本を救う⁉

世田谷区の保坂展人区長による新型コロナウイルス対策は「いつでも、どこでも、何度でも」PCR検査を受けられるのが特徴で世田谷モデルとしてアピールしています。果たして世田谷モデルは感染拡大を抑制し、重症者を減らし、死亡者を減少させる効果が期待できるのか、世田谷区民の皆様は特に気になるはずです。わかりやすく検証してみます。

保坂展人世田谷区長はいろいろ目立つと言うかスタンドプレイというか、エゴにはまいりますぜ。我々区民のことを優先してくれる区長!!なんて賛辞を贈る方も中にはいるんでしょうけど、当院の患者さん調べによるとゼロ(笑)。

そもそもセルフで抗原検査キット使って陽性と判定された場合、受け入れした医療機関で再検査をする抗原検査キットが不足しているんだよ、セルフ検査陽性だからと言って厚労省のHER-SYSに登録していいの???PCR検査したら検査結果は現時点では翌日夜になっちゃうんだけど・・・。

検査をしなくても症状で診断可能か?

検査キット不足を受けてこのような報道がありました。

感染者さらに急増なら「若者は検査せずに診断」 専門家有志が提言案

朝日新聞社 2022/01/20 21:02

これもちょっとねえ、と受け止めた医師も少なくはないはずです。ほかの感染症と症状だけで見分けて診断することは不可能ですもん。

抗原検査キット不足に悩まされている当院のような地域密着型弱小発熱外来の事情をお伝えしたいと思い久々に記事をアップいたしましたm(__)m

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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