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新しい生活様式のひとつ「オンライン診療」泌尿器科でも有効活用の可能性が有ります。

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オンライン診療というシステムがあります。遠隔診療とも呼ばれています。

いままでもオンライン診療はあったのですが、再診に限られていました。一般診療のメインを泌尿器科というどうしても検査が必要となる診療科目を営んでいることがオンライン診療導入のネックだったのです。

しかし、工夫をこらせばオンライン診療であっても泌尿器科の診療は可能なんじゃないかと最近考えています。

まだまだ続くのかステイホーム生活、医療の質はオンライン診療でカバーできるか?

人類が今まで経験していなかったウイルスが世界中に拡散されて、大混乱状態になっています。今後、世界中はウィズ新型コロナ感染症と呼ばれる時代を迎えるらしいです(このあたりは人類学者とかの、経済学者の範疇かな)。

医療に携わるものの1人として、2020年の3月中旬から4月上旬の地域医療の状況は本当にギッリギリでした。地域の感染症受け入れ病院からは、「今まで病診連携で上手くやってきたことは十分理解しているけど、発熱でこれ以上紹介しないでよ」とか、「なんでうちの病院だけが新型コロナ感染症感染者を受け入れなきゃいけないんだよ、これはおかしいだろう」と激怒したり、「あのさー、あなたのことは知っているし、いつも患者さんを紹介してくれて感謝しているけど、俺が口きけばPCR検査できるなんて二度と言うなよ」と言われたとか、本当に大混乱だったのです。

残念ながら新型コロナに効果があるワクチンの開発は数ヶ月後に実現はかなり無理スジ、既存の薬の中でどうにか重症化を防ぐ、あるいは重症例を回復させる薬の可能性が模索されている段階。

となると、これから数年は下手すりゃ10数年は新型コロナは地球上をぐるぐる周回することになるだろうことから、ポスト新型コロナ感染症ではなく、ウィズ新型コロナ感染症という言葉が出現したのでしょう。

ウィズ新型コロナ生活となる、医療機関もかなりの工夫が必要となってきます。新型コロナ感染を恐れて、病気になった時に受診を控えると、それこそ救える命も救えなくなります。

今後のウィズ新型コロナ感染症と新しい生活様式の中で医療機関はどんどんオンライン診療を取り入れるべきである、とちょっとばかりの経験によって導き出された自論を展開させてくださいませ。

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ポケットドクター」というシステムを当院は導入しました。今のところ問題なく使えています。

オンライン診療が適さない診療科目と断定すると思考停止に陥るかもよ

私が当院で診ているのは泌尿器科領域が中心です。

泌尿器科の場合、圧倒的に多い疾患は

  1. 膀胱炎・尿道炎などの感染症
  2. 排尿困難、男性の場合は前立腺肥大症
  3. 排尿困難、女性の場合は過活動膀胱
  4. 腎結石・尿管結石
  5. 肉眼的血尿
  6. 泌尿器領域のがん
  7. 前立腺炎を中心とした骨盤内疼痛症候群

以上の7つの大きな分類で90%以上を占めています。

どれもこれも検査が必要なので対面診療による検査が必要となります⋯なーんだ、当院の場合はオンライン診療の初診は無理だ、と新型コロナが蔓延するまでは考えていましたし、そもそも初診でオンライン診療は厚労省等によって認められていませんでした。

つい先日はオンライン診療の問題点を検証しました。

オンライン診療(遠隔診療)は患者さんだけでなく医師にも不便な点があります。

オンライン診療(遠隔診療)は患者さんだけでなく医師にも不便な点があります。

オンライン診療、遠隔診療は医療過疎地等での使用が想定さ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い医療機関をわざわざ訪れないでも薬の処方を受けることが可能な新しい診療形態として注目されています。オンライン診療は対面診療と比較して、便利な面はもちろんあるのですが、患者さんにとっても医師にとっても不便な点があります。  

でも、なんとなーく解決できるような気もしてきたのです。

しかし、新しい生活様式を取り入れた場合、不要の外出を抑制する傾向、病気で医療機関をむやみに受診すると感染リスクが高まる、などが考えられます。

となると、検査が必要であっても、それなりの工夫をすればオンライン診療、それも初診であっても100点満点は無理でも合格点が付けられる診療が可能なのでは、と頭をぐるぐる回転させていましたら、これって行けるんじゃないというポイントが見つかりました。

郵送で検体を送ってもらえば感染症の検査も治療も可能あるかも

検査に使用する検体を郵便をつかって検査できる「郵送検査」なるものがネット上にあります。「気軽にご自宅で検査を」的なキャッチフレーズが使われています。

例えば1に上げた尿道炎の多くはSTD (いわゆる性病と呼ばれるもの)がほとんどです。

その場合、既存の郵送検査サービスを受けていただいて、陽性判定、つまり何らかの微生物による感染症が確認された場合、オンライン診療をご利用いただいて、検査結果をこっちに提示してもらうことによって処方箋をお出しすることは可能です。

治療効果判定も既存の郵送検査サービスを利用することで可能です。

さらに、初診時に問診を当方が慎重に行うことによってSTDであることがかなりの確率で予想できる場合は当院が検尿キットを送付して、それを返送してもらい当院がオーダーしている検査機関に検体の検査を依頼できる可能性もあります。

尿を郵送することが法的に可能であるかの確認の必要があります。また、郵送が可能であっても法的にクリアするべき問題があるかもしれないので、後日調査します。

前立腺肥大症や過活動膀胱の初診はオンライン診療で可能性が高い

傾向として、他院を受診していたけど前立腺肥大症の症状が軽快しない、過活動膀胱の治療をしているのだけど治療効果がいまいち。当院の場合、そのような方が比較的多いようです。

2の前立腺肥大症と3の過活動膀胱の治療で高い効果を上げるのは薬のチョイスとその方のライフスタイルです。

そもそも、他院で前立腺肥大症・過活動膀胱との診断を受けた上で処方されているのですから、基本的な検査は既になされているはず。

そうなると、治療していても効果がない、効果が感じられない方の多くは診断が間違っているか、あるいはライフスタイルに問題があるか、そもそも薬のチョイスが間違っている可能性があります。

お持ちの検査データ等を事前に用意していただき、じっくりと症状とライフスタイルをお尋ねすることのよって、前立腺肥大症及び過活動膀胱のオンライン診療の可能性を探ってみたいと思います。

結石関係の病気は急を要することが多いので、オンライン診療を上手く利用できれば⋯

腎結石や尿管結石の大問題は発作的に生じる激痛です。激痛が24時間継続することは稀であり、一定のサイクルで発作痛が生じます。

動けないくらいの痛みを伴う発作ですから、クリニック受診もままならない、そんな方も少なくありません。

そのような場合はオンライン診療で処方箋をかかりつけの調剤薬局の当方からFAXすることによって、痛み止めを処方してもらうことが可能です。

本当にその痛みが尿路結石系のものであるのか、対面診療であればエコーを使った検査等が必要となるのですが⋯結石の発作を繰り返す方も少なくないので、問診で診断が可能な場合は少なくないはずです(泌尿器を専門としていない医療機関はそのようにしているところもあるし)。

以上の様にオンライン診療は無理、特にオンライン診療の初診は無理、と頭から決めつけないで工夫することによって、新しい生活様式に対応したオンライン診療をこれからも考えて提案していきたいと思います。

こんな方にはオンライン診療はうってつけです。

【オンライン診療】こんな方に利用してもらいたい、3つの例。

【オンライン診療】こんな方に利用してもらいたい、3つの例。

リモートワークが増加し不要不急の外出を控える人が頭を悩ませる問題のひとつに病院に行ってもいいのか?があるはずです。自宅にいながら受診できて処方箋やクスリを送ってもらうオンライン診療。五本木クリニックも導入しました。生活・働き方に大きな変化があった2020年はオンライン診療元年ともいえるでしょう。この記事では、オンライン診療が便利な利用シーンを3パターンに分けて解説します。

まだまだ改善の余地は残っています。

こんな症状であってもオンライン診療の初診は可能か?これは無理なんじゃないの?などなど多くの方のご意見をいただけると私の勉強にもなりますし、オンライン診療を使って患者さんも便利になると思います。

ご意見をいただけるとうれしいです

これはおまけね。

オンライン診療は遠隔診療と同じ、でも遠隔治療はヤバいもの混入注意。

オンライン診療は遠隔診療と同じ、でも遠隔治療はヤバいもの混入注意。

遠隔治療はリモートで治療というとロボットが遠隔操作で手術する高度なものもを指しますが、遠隔治療でGoogle検索すると怪しげな情報が目につきます。画面越しに気・癒しのエネルギーを送って治すといった類のものです。スピリチュアル系リモート施術?は以前から存在していましたが、いま一度注意喚起しておきたいとおもいます。

オンライン診療、別名遠隔診療は遠隔治療とは大きく違う場合もあるので。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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