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尿漏れはどのようにして、防ぐことができるのか?尿漏れを治療して生活の質を高めましょう!

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尿漏れはQOLを悪くしてしまいます

くしゃみやジャンプした時、あるいは階段を昇る時にお腹に力を入れてしまうと、思わず尿が漏れてしまう方がいます。あるいは尿意を感じたら、トイレに駆け込んでも間に合わないで尿が漏れてしまう方もいます。

前者は「腹圧性尿失禁」、後者は「切迫性尿失禁」が考えられます。

尿が漏れてしまう方は特に外出先で不安を感じてしまうために、尿漏れ専用のパッドや通販で購入できるような尿漏れ対策の使用しています。しかし、尿漏れパッドや尿漏れ対策下着を使用している方は、友だちにバレないか、尿が漏れたら臭いがしないか、などの心配をすることにより、外出を控えてしまうこともあります。家族や友だちに映画を見に行こう、百貨店を覗きにいこう、ハイキングに行こう、との誘いを断ることは、明らかに生活の質(Quality of life、略してQOLと呼ぶことが多いですよね)を低下させてしまいますよね。

尿漏れを治療するにはどうすれば良いでしょうか?

「腹圧性尿失禁」の治療方法

腹圧性尿失禁は女性の尿漏れで一番多く見られる病気です。出産や加齢によって骨盤底筋群が緩んでしまう為に尿道括約筋という、尿が漏れないように支えている筋肉が締め付けることができなくなってしまうのが原因です。

骨盤底筋群を鍛えて、尿道括約筋の機能を改善するための体操を推奨している健康雑誌やお医者さんもいますが、実際に骨盤底筋を鍛える運動・体操はかなり負担となり(特に高齢者)期待する効果を得ることも難しい症例に遭遇することは稀ではありません(高齢者に「骨盤底筋を鍛える体操」を指示は厳しいですもんね)。

体操で尿漏れを防ぐのが厳しい場合は薬による治療が考えられます。現在、腹圧性尿失禁に対して効果あると言われていて、健康保険で処方できる薬はごくごく僅かです。当院では一般名クレンブテロール塩酸塩を処方しますが、匙加減が難しく副作用が前面に出てしまうこともあります。

体操もダメ、薬もダメ、という場合は腹圧性尿失禁に対する手術療法も考えられます。経験上はご自身で「尿は漏れるけど、手術はちょっとねえ」という方が多いです。

男性特有のちょい漏れとは

男性の“ちょい漏れ”3人に1人が経験あり

男性は女性より尿道が長いことによる、男性特有の失禁があります。排尿しても、尿道の一部に尿が残っている状態で、「排尿後尿滴下」と呼ばれています。イメージ的には排尿が終わってスラックスのチャックを上げた後で、タラーっと尿が出てきてしまい下着やスラックスを濡らしてしまいます。

男性は排尿後に、ペニスを上下に振ったりして尿が尿道に残らないようにする行為を、子ども時代に保護者に教わったり、学校に通うようになってトイレで隣り合った友だちがおちんちんを振っているところを見ることによって自然に学んだりします。

しかし、しっかりと絞り切ったとしても尿道に残った尿が出てくるのが排尿後尿滴下。この排尿後滴下に対する対策として「ミルキング」という動作があるのですが・・・名称の通りに牛のお乳を絞るように、睾丸からペニスの先まで絞るようにしなければならないので、自宅ではそれで良くても、外出先でペニスをトイレでモゾモゾする行為を躊躇する男性も少なくありません。

排尿後滴下によるチョイ漏れは男性の三人に一人が経験しているとのデータもあります(男性の3人に1人が“ちょい漏れ”経験者!|花王)。排尿後滴下は、解剖学的な理由ではなく、前立腺肥大や膀胱の収縮機能不全が原因となっている場合もあるのです。

切迫性尿失禁の治療方法

切迫性尿失禁は男女ともに悩まされている方が多いです。切迫性尿失禁とは、排尿にまつわる筋肉や神経が過敏になって、尿が多く溜まっていなくても勝手に排尿が生じてしまう病態を指します。尿を我慢するように指導している医療機関もありますし、ガイドラインでも似たようなことが書かれていますが、臨床医としては「そりゃ無理だよ」と言わざるを得ません。男性の場合は膀胱の問題だけではなく、前立腺肥大などの病態も関わってくるために、症状は複雑であり治療も複雑になるため、泌尿器科医の診断が必要になってきます。

だからと言って、女性の切迫性尿失禁は治療が単純とは言い切れません。可能な限り生活背景や日常どのような活動をしているかの、詳細な問診が男女ともに必要となってきます。

近年、過活動膀胱という病気が広く知られるようになり、過活動膀胱の治療薬も複数登場しています。当院としては、切迫性尿失禁のベストな治療は薬物治療だと現時点では判断しています。

しかし、薬を継続的に服用していても切迫性尿失禁が治らない場合があります。そのような時はボトックスと呼ばれる薬を膀胱内に注射する画期的な治療方法が2020年から保険適用されました。この治療方法は入院の必要が無い点で言葉は悪いですが「気軽な治療方法」と考えて、治療を希望される方が当院では少なくありません。

尿失禁のリスク因子は肥満

患者さんには伝えにく、尿失禁のリスクとして肥満があります。肥満は排尿障害全般のリスク因子でもあります。しかし、高齢者に痩せろ、とは言いにくいですし実際に痩せることによって失われる健康問題もあります。

尿漏れに悩まされている方は、若いうちに治療を開始することが重要です。というのも、実は40歳以上の女性の40%が尿漏れに悩まされていると考えられています。また、尿もれの原因として複数の原因が重なっていることも多いです。

尿漏れを治療して生活の質を高めましょう!!

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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