NHK「ガッテン」さま、トンデモ系ニセ健康情報はおやめくださいませ。

先日「ガッテン 最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」で誤った医療情報を流し、問題となったNHKガッテンです。

翌週3月1日の番組冒頭で糖尿病の治療に対して、睡眠薬が効果的であると受け止められる内容であったことに対して謝罪、それに続いて舌の根の乾かぬうちに「決定版!コラーゲン100%活用SP」というトンデモ番組を垂れ流しちゃいました❗

またもやってくれました、ガッテン「決定版!コラーゲン100%活用SP」❗

一般の方はNHKだから信頼できる、と考えているはずです。ガッテンも健康情報を面白くわかりやすく説明してくれる、って感じで見ている人多数のはず。コラーゲンという誤解を招きやすいサプリを、これまた間違った受け止め方をしやすいような方向の効果効能を放送しちゃいました。ネット上ではちゃっかり便乗広告もすでにアップされているんです。

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http://placenta-blog.com/archives/4502

この記事を書かれた方は食品として摂取したコラーゲンは効果がある、と断言しています。

NHKがガッテンで取り上げたコラーゲン、ガッテンはコラーゲンに効果があると伝えた、だからコラーゲンの効果はNHKガッテンお墨付き、との手法を使っているのです。

NHKガッテンさま、そろそろ健康関連から手を引いた方がよろしいのでは?

私は以前からコラーゲンをいくら口から摂取しても、コラーゲンが足りない場所にコラーゲンとして到達しないことを説明してきました。

しかし、今回のNHKガッテンにおける「決定版!コラーゲン100%活用SP」では、コラーゲンを経口摂取した場合、胃腸で分解されずに残ったコラーゲンの一部がペプチドとして体内に吸収され、コラーゲンを構成する線維芽細胞が増殖する⋯だからコラーゲンを食べるとコラーゲンが増える、との論法を使っていました。

さらに、寝たきりの方を苦しめる褥瘡(昔は床ずれ、って呼びました)にも効果がある、としか取れない内容。こりゃ、間違いなく臨床現場に混乱を招きます。褥瘡や皮膚潰瘍の治療はそんな簡単にいくはずありません。

当院でも形成外科がそれらの治療にあたっていますが、幸いにも本日は休診日。明日の診療時「先生、おばあちゃんの褥瘡が治らないのはコラーゲンが足りないからじゃないですか?コラーゲン処方してください」って感じの方が現れるのは必至。

コラーゲンはゼラチンとそっくり❗って当たり前じゃん

さすがNHKさん (笑)、 「決定版!コラーゲン100%活用SP」の要旨が「《印刷用》ガッテン!:決定版!コラーゲン100%活用SP」としてPDFとしてまとめられています(http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20170301.pdf)。このアブストラクトに「コラーゲンは、実はゼラチンとそっくり!」との小見出しがあります。

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http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20170301.pdf
 

あたかも意外や意外的にコラーゲンとゼラチンの同質性を取り上げています。でもね〜、ゼラチンってコラーゲンから抽出されていることに、今更驚かなくてもよろしんじゃないの?

ええっ、ゼラチンってコラーゲンにそっくりなの⁉レベルの方って医学に詳しくはないだろうし、栄養学にも詳しくはないだろうし、高校の生物や化学の授業中に居眠りしていただろうし⋯このようないたいけな方に誤った認識を与えることが、どんだけ誤解を生み出すのか、高学歴集団でもあるNHKさんは反省していただきたいです。

言い訳すりゃいい、って思っているNHKガッテン

前回のめちゃ医療現場に混乱を招いた「ガッテン 最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」、当院のような糖尿病専門じゃない一般のかかりつけ医でさえ、ベルソムラの処方を希望する方が数人いました。

この問題によってちょいと学んだのか、今回のコラーゲン特集では「もちろんコラーゲンは食品です。薬のような効果が保証されるものではありません」とか、「コラーゲンは食品です。薬のような効果はありません」とかの逃げ道?を付け加えていました。

さらに今回はスタッフの一部に自ずから身体に傷をつけて、コラーゲンを摂取した場合の傷の治り具合の比較という倫理的に許されない内容まで放送していました。さらにさらに大笑いが臨床実験風に6人の方に実際コラーゲンを食べてもらい、コラーゲンの効果を実感したかの調査をしていましたけどね〜。

たった6人を対象とした、お客様の個人的な感想、どこぞのCSのインフォマーシャルかよ❗と画面に向かってついつい怒鳴ってしまった私でした。

NHKさま、健康関連番組は「今日のけんこう」だけにしていてください❗

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執筆した医師

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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