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ニコチン摂取が効果的な病気がありました!?



喫煙のいい面を探してみました

喫煙問題・受動喫煙問題は大きな流れはとにかく禁煙の方向であるのは間違いありません。しかし、喫煙のいい面もあるんだよ、という意見もあります。

確かにタバコをふかしながら文学作品やパイプ肩手に名画を書き上げた芸術家は多く知られています。また、愛煙家でありながら長寿の方も皆さんの身近にも必ずいると思います。

昔はタバコが薬と使用されていた時代もありますので、薬効という面からタバコ・・・喫煙ではありませんのでご注意ください・・・を考えてみました。

ニコチンが難病の潰瘍性大腸炎の特効薬?

ニコチンがアルツハイマー病の改善に効果があるのではないか?という話は割と多くの人がご存知だと思いますので、今回はその病気の患者さんは悲鳴を上げるくらい苦しみ、生活の質を落としてしまう「潰瘍性大腸炎」の治療に喫煙(正確にはニコチン)が効果を上げるという論文をご紹介します。

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                http://www.medicinenet.com/より引用
       直腸から始まって腸全体にひろがる炎症性の病気で、日本では難病として認定されている病気です。

Transdermal nicotine for active ulcerative colitisという題名でアメリカの非常に権威のある医学誌ニューイングランドジャーナルに投稿されたものです(N Engl J Med. 1994 Mar 24;330(12):811-5)。この論文がニコチンが潰瘍性大腸炎に治療効果をあげるという主張のもとネタともいえるものです。

研究の方法
潰瘍性大腸炎は非喫煙者に比較的多くみられる病気とされています。喫煙とニコチンは病気の症状を改善することを示唆と考えられるために、潰瘍性大腸炎のための補足的治療としてニコチンの効果を検討したものです。

潰瘍性大腸炎で72人の患者ランダム化して、二重盲検試験で6週間経皮ニコチンパッチまたはプラセボのパッチのいずれかで治療しました。

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皮膚からニコチンが吸収される貼り薬です

さすがに他の疾患に影響を与える可能性が高い「タバコの喫煙」は選択枝として採用されませんでした。(人道的にそのような臨床実験はできません)全ての患者さんに(潰瘍性大腸炎の基本的な治療薬)を併用してもらっいました。12人はグルココルチコイドを低用量を処方されています

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結果
・プラセボ群では37人の患者のうち9人が症状が軽快した
・ニコチン群では35人の患者のうち17人が症状が軽快した

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結論
上記から従来の維持療法に対する経皮的ニコチンの追加は、潰瘍性大腸炎の症状改善に効果を示しました!!

医学論文、医学データの解釈の難しさ

因果関係という言葉があります。ある原因によってある結果が得られる。単純に言うとこれが因果関係です。化学や物理の世界では因果関係は単純化しやすいのです。水素分子と酸素が反応して水分子になります
                      H2+O→H2O
               (本当は2H2+O2→2H2Oですけど)
原因となる水素と酸素の存在が、化学反応を起こして結果として水になる、ということを表しています。(専門家の方、喩が悪かったらごめんなさい)

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        これは明らかな原因と結果  http://pedrothomasenglishblog.blogspot.jp/より

しかし、医学的研究の場合、このような単純な因果律が成り立たない場合が多いのです。

例えば喫煙者は非喫煙者に比べてアルツハイマー病になる率が低くいという論文が注目を集めた時期があります。残念ながらこの説を主張したグループはタバコ産業から資金をもらっていたことが暴露され、この論文は現在では否定されています。詳細はMedical Research Council unit takes tobacco cash BMJ, Sep 1996; 313: 577をご覧ください。

この論文が正しいものであっても、喫煙者はアルツハイマー病になる前に他の病気で死亡しているので、アルツハイマー病を起こす年齢まで生きることができないから、このような結果になると主張することも可能です。

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              喫煙と寿命の関係も同様に考えることができます。
                 仮に喫煙者は短命であるとします
             1・喫煙が原因であってそれによって短命という結果が得られた
             2・短命が原因であって喫煙が結果
                 という二通りの考え方ができます。

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                  http://www.long-life.net/よりお借りしました

2についての解説を加えます。もともと短命である人(遺伝子上の発生する病気とか悩みが多く、多大なストレスにさらされる環境で生活している等でもともと寿命が短いことが予想される人)はタバコを吸いたがる傾向がある、と考えると2が成立します。

じゃあどうすればいいの?

原因と結果を結びつけるには複雑な因子を解析しながら医学データは結論を出さなければいけません。

そのためにメタアナリシスという方法を取ります。メタ解析とも呼ばれる方法で、様々なバイアスを排除し、評価基準を統一して多数の研究結果を客観的に評価する方法です。

その代表がコクラン共同計画です。ランダム化比較試験を中心とした、臨床試験の論文を世界中から収集して、それを分析してその結果を、合理的な治療ができるように目指したイギリスで行われている壮大な計画です。

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泣く子もだまるコクラン共同計画、個々の解析結果に反論を論文としてだすのはかなり難易度高いです

☆以下は私の意見ではなくコクランの声明です
コクラン共同計画が行っているメタアナリシスの結果が発表されているThe Cochrane Libraryではニコチンによる潰瘍性大腸炎の治療の論文を多数検討して結論を出しています。

「経皮的ニコチンが患者の潰瘍性大腸炎の寛解導入のためのプラセボよりも優れているという証拠はあったが、標準的な薬物療法に比べて経皮的ニコチン療法のための任意の重要な利点は判別できませんでした。経皮的ニコチンに関連する有害事象は重要であり、一部の患者では、その使用を制限します。」

とのことです。愛煙家の方、このオジサンがコクラン計画を提案したコクランさんです。
               Cochrane
                   Archibald Leman Cochrane(1909-1998)



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