潜入レポートでブチ切れているトンデモ医学総本山のウェブサイトは悲しくなるほど矛盾だらけ

東京大学病院の放射線科医上松正和医師が潜入レポートしたトンデモクリニックがあります。そのトンデモクリニックは私はかなり前から色々と確執があった医療機関であり、そこの医師が信じ込んでいる酵素栄養学なるニセ医学に影響されたセミナー開催者から猛抗議を受けたことがあります。

どれだけトンデモ系ニセ医学であるのか、そのクリニックのウェブサイトを見ながら解説しますね。

酵素栄養学の本山鶴見クリニックのウェブサイト

酵素栄養学なるトンデモ系ニセ医学があります。しかし、酵素が人体にとって大切な働きをすることが知られているため信奉者が多く、医師の中にも酵素栄養学を日常の診療に取り入れている人がいるためにかなり厄介な状況になっています。

医療機関でニセ医学である酵素栄養学を導入しているところの特徴として、酵素栄養学以外のトンデモ系ニセ医学を取り入れていることでトンデモクリニックを見分けることが可能であるのが不幸中の幸いです。例えば酵素栄養学の総本山とも言える鶴見隆史医師が院長を務める鶴見クリニックが主として行なっている治療法は以下の4つだと考えられます。

鶴見クリニックの診療内容

https://www.tsurumiclinic.com/medical-treatment/
  • メタトロン検査
  • ホルミシス療法
  • 酵素栄養療法
  • 水素療法

いや〜、すばらしいライナップ、トンデモの芳ばしい香りがぷんぷんです。ちなみにこのライナップの素敵なトンデモ系ニセ医学はいままで私はブログ記事で散々っぱら批判というかいじくり回してきました。

鶴見クリニックで行われている治療を各論として考察してみますね。

「メタトロン」はトンデモ医学のリトマス試験紙

メタトロンなるポンコツがかなり深くニセ医学を信奉してしまう人生長いので色々あったんだろうなあ系の医師が少なくありません。このメタトロンは現代医学で使用される医療検査機器では見つけることができない病気さえも発見できる、なんてことが言われていますが・・・これって嘘発見器レベルの単純な仕組みなんです。

このメタトロンですが、医療機器として承認されているわけじゃない玩具なんで、一般素人さんでもこんな楽しみ方ができちゃうしろものなんですぜ。

波動医学を振り回し、振り回されるトンデモ素人さん

なんとこの波動測定士を名乗る一般素人さんはハーブティーと怪しげな検体をメタトロンで調べているのです。

メタトロンでハーブティーを調べる波動測定士

https://ameblo.jp/ai-ichigen/image-12589272033-14742928576.html

このメタトロンは波動医学なるニセ医学とは切っても切れない密接な関係があり、トンデモ医療機関でも導入しているところが残念ながら少なくありません。メタトロンの仕組みは人体の臓器やすべての物体は固有振動数を持っていて喜怒哀楽さえ固有の周波数を持っていることが前提となっており、それらの周波数を調べることによって体調の悪い原因を調べるらしいのですが、この文章をタイピングしている時点で私は頭が痛くなってしまいす。

これ以上メタトロンについて述べていくと私の精神的な安寧が崩れてしまう可能性があるので、ブログ記事上の虫眼鏡に「メタトロン」と入れて記事を検索していただけると助かります。

ところで鶴見先生、「酵素栄養学・腸管免疫・活性酸素除去を中心にガンと闘う鶴見隆史先生との対談」(http://www.gan-jiten.com/store/06/post_12.html)でこんなことをおっしゃっています。

1個の細胞には36個のガン遺伝子があります。また、ガン抑制遺伝子は今のところ7個見つかっています。私は36個あるはずだと考えていますが・・・。

http://www.gan-jiten.com/store/06/post_12.html

この言質がどうしても私には理解できません。私の勉強不足の可能性もあるけど、がん遺伝子ががんを引き起こす原因となる遺伝子のことを指すのであれば普通の医学では現時点では数百個あると考えられているんだけど36ってどっから出てきたんだろう???そもそもメタトロンは身体の10万ヶ所以上を調べられるって書いてあるんだけどがんの遺伝子は見つけられないようですね。

低線量の放射線を使った「ホルミシス」なるニセ医学

このホルミシスなるニセ医学も以前ブログ記事で弄くりまわしました。

川嶋朗医師が監修するホルミシスの医学的効果はニセ医学のホメオパシーとそっくり⁉

ホルミシス効果は「Radiation Hormesis: The Good, the Bad, and the Ugly」(Dose Response. 2006; 4 (3) : 169–190.)という論文が根拠となって信奉者が医師でも出てきちゃっているけど、これは仮説であり科学的・医学的に再検証され公に認められているものではありません。

鶴見医師のクリニックでは

1つ28マイクロシーベルトの鉱石を270個敷き詰めており、放射線によるデトックス効果、マイナスイオンの量がとても多いです。

https://www.tsurumiclinic.com/medical-treatment/holmix.html

なんてことがさらっと書かれていますが、これはかなりリスキーなものじゃないのでしょうか?

28マイクロシーベルトの鉱石が270個あった場合、毎時7560μSv(マイクロシーベルト)の放射線がでることになります(鶴見先生、できれば放射線の量をしめすなら時間の単位をいれてくださいませ)。放射線として人体に悪影響がないと考えられている限界は年間追加被爆線量は1mSv(1ミリシーベルト)、つまり1000マイクロシーベルトであり単純計算すると1日あたりだと2.7μSv(2.7マイクロシーベルト)です。

鶴見クリニックのホルミシス療法を受けてしまうと年間に被爆しても健康に問題のない放射線をオーバーしてしまう放射線を一気に浴びてしまうことに計算上はなっちゃうんだけど大丈夫かねえ???

精確には年間1ミリシーベルト(mSv)を算出する計算は毎時0.19マイクロシーベルト(μSv) × (8時間 + 0.4 × 16 時間) × 365 日、で導かれることが東京都環境局のサイトにありますので、お時間のある方はどうぞ。

※補足 人への健康影響が確認されている被ばく線量は、100ミリシーベルト以上であると考えられています。と環境庁のウェブサイト(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-05-12.html)には記載されています。某クリニックの医師にそそのかされて自宅にホルミシスルームを作ってしまった方から相談を受けたことがあります。毎日ホルミシス浴をしていたら100ミリシーベルトをこえてしまいますね。

酵素栄養学、そもそも酵素とはどのようなものかを理解していない人々

酵素ってさまざまな化学反応に対する触媒の役割をはたす重要な物質であり、医学部の生化学の授業で詳しく習うはずです。鶴見クリニックではありえないことをさらっと述べています。

「生きた酵素をたっぷり取る食生活」は、体質改善の最善策

https://www.tsurumiclinic.com/medical-treatment/enzyme.html

鶴見先生、あのね、酵素ってそもそも生き物ではなくてたんなるたんぱく質で構成された化学物質なんですけど・・・

そもそも酵素は生き物ではないのにトンデモ方面では「生きた酵素」というフレーズが好まれるようで

「生酵素ダイエット」??生だろうと、熟成だろうとこの表現はないでしょ❗

とか

私の愛用酵素ドリンクは生きてる❗と宣言したピラティストレーナーさん、それってマルチの商材では⋯。

なんて感じの突拍子もない人々が酵素栄養学界隈ではでてきちゃうのです。酵素栄養学の総本山とも言える鶴見クリニックのウェブサイトで「生きた酵素」という言葉を見たら、大天才ながら晩年はトンデモさんになってしまったライナス・ポーリング博士でさえ泡吹いてひっくり返ると思います。

酵素栄養学なる用語が出てきたらトンデモ医学・ニセ医学と判断してとっとと退散することを一般素人さんには強く推奨いたします。

いまさら「水素療法」ですか・・・

水素水なんてものが一時期話題になりましたねえ、いまではメンタリスト DaiGoさんが推奨するシリカ水の時代なんだけどね(笑)。

たしかに大学病院などで水素水ではなく水素ガスを直接吸入することによってなんらかの治療効果などが研究されているけど、現時点で一般のクリニックで使用されている水素なんちゃらは99.9999%トンデモ系ニセ医学と考えて間違いないです。

鶴見クリニックでは水素が入った点滴で

ガンに対してだけではなく、あらゆる疾患、炎症、感染症、アンチエイジング効果が期待できます。

https://www.tsurumiclinic.com/medical-treatment/hydrogen-therapy.html

なんてすごいことを記述しているけど、これいろいろな意味で大丈夫かねえ、と余計な心配をしてしまうレベルです。

おまけ1:鶴見クリニックのウェブサイトにこんなお知らせが・・・

鶴見クリニックはこのようなお知らせをサイトに掲載しています。

事実無根の誹謗中傷を受けたと主張する鶴見クリニック

https://www.tsurumiclinic.com/news/2021/10/20211001-277.html

ある医師とは間違いなく上松正和医師のことだと考えられますが、上松医師は潜入レポートしたクリニックの名称はだーれにも言っていないし、どっこにも記載していません。逆にこんなことをサイトに掲示したことで潜入レポート先が鶴見クリニックであることがわかっちゃうんじゃないの?と余計なお世話的に考えてしまいました。

私は以前から鶴見クリニックの鶴見医師のトンデモ具合をブログ記事にしてきました。鶴見隆史医師の著作「長生きの決め手は『酵素』にあった」をネタにいまから7年前の2014年にこのようなブログ記事を書きました。

この酵素栄養学に影響されたと思われる酵素ダイエットセミナーなるものを酵素ダイエットセミナーは効果云々より、単なるセミナービジネスなんじゃない??で、批判したところ開催者を思われる関西弁の女性から電話で猛烈な抗議を受けたことも今となっては懐かしい思いです。診察中に長々と電話でがなりたてる抗議に辟易したので、この件以降は抗議は書面でお願いするようにしています。

おまけ2:鶴見クリニックの不可思議な料金体系

ホルミシス療法の料金が気になって仕方ないです。というのも、診察が込の場合と診察無しの料金が一緒なんです。

鶴見クリニック、ホルミシス療法の料金

https://www.tsurumiclinic.com/medical-treatment/holmix.html

でもパソコンで見ると

鶴見クリニックのホルミシス療法の料金が変

となっています。スマホだと診察があってもなくても同一料金だけど、PCでみると不思議なことに診察込みの方が料金が安いという複雑な料金体系。治療をした後でいざ会計となったときにトラブルが起きていないかとこれまた余計な心配をしてしまう鶴見クリニックです。あと、非常に細かいことなんですけど診察ありの場合は良心的にタオルは無料で貸し出してくれるようなんだけど、診察無したど非情にもタオルは貸し出してくれないのか、あるいは有料になっちゃうようです。貸し出した場合のタオルの料金が気になっちゃうなあ(笑)。

長文にお付き合いありがとうございました。後日、こんなのも書きました。

お時間のあるときにどーぞ。

執筆者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の筆者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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