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BuzzFeedのファクトチェックをファクトチェック❗「『感染予防効果なし』は誤り」はミスリードです!!

BuzzFeed(バズフィード)というネット媒体があります。BuzzFeedの医学健康関連記事の質の高さは医師の間でも定評があります。

特にBuzzFeedのファクトチェックに関してはデマや都市伝説や噂レベルの情報をチェックしてくれる、ありがたい記事がほとんどです。

しかし、どのような信頼度の高い媒体であっても玉石混交である点に注意が必要である、との私の持論が証明された些細な出来事がBuzzFeedとの間であったので、その顛末をお伝えします。

やっかいな感染症ワクチンに感染予防効果はあるか?

ワクチン接種の感染症に対する効果を否定する合理的な説明は目にしたことがありません。故にワクチンはどんどん接種するべきです。

やっかいな感染症ウイルスの厄介な点は、無症状感染者問題です。感染症の症状があったら人との接触を防ぐ、あるいは第三者にうつさないように細心の注意を払うことは社会生活を営む上での常識です。しかし、やっかいな感染症ウイルスの場合、感染はしているけど臨床症状が出ない無症状感染者よりの感染拡大が問題となっています。

検査で陽性と判定されても、その後症状が全く出ない人もいますし、何らかの症状が出る人もいます。「感染した」ことと症状が出ることは別であることに注意が必要です。BuzzFeedのファクトチェックとしてこのような記事がありました。

やっかいな感染症ワクチン、「感染予防効果なし」は誤り。ワクチンの効果、副反応について専門家に聞きました

やっかいな感染症ウイルスのワクチンが発症を抑えるのか、重症化を抑えるのか、については、多くの人達が高い関心を持っていると思います。これについては間違いなく効果あり、です。しかし、感染予防効果に関しては医療関係者であっても現時点では意見が分かれています(大方の流れとしては、感染予防効果もかなり期待はできます)。

記事の内容がいつのまにやら変化している、なんでだろう?

ニュースに関しては第一報からその後の続報が出てくることによって、あわてんぼうさんが第一報で大騒ぎをすると続報や後追い記事によって恥ずかしい思いをすることがあります。通信社や新聞の場合、とにかくなんらかの事件・事故があったことを報じることが重要であるので、続報や後追い記事で第一報とかなりニュアンスの違う結果になったとしても、問題にならないと解釈されています(読者としては大問題なんだけど、ネット記事だとキャッシュさえ残っていないことも多いです)。

BuzzFeedは既存のオールドメディアとは違った立ち位置で1つの問題を深く掘り下げる点が高評価につながっていたと、私は個人的に解釈しています。そんな報道姿勢のBuzzFeedのファクトチェックは今回のやっかいな感染症ウイルス関連では重要な働きをしていると思います。

しかーし、タイトルを読む限りでは、「やっかいな感染症ワクチンの感染予防効果がなし」は誤りであり、やっかいな感染症ワクチンは感染予防効果あり、とこの記事を書いた記者さんは考えているようです。でも、これって変なんです。なぜなら記事の内容、非常に重要なポイントが変更されているのです。

当初は

ところがyahoo!ニュースに転載された記事では

https://news.yahoo.co.jp/articles/3dc22fe9b15d1d70b45af7c14ed3671ea1147cfb?page=1

そしていま現在閲覧できる記事では

となっています。

些細な違いではありません、大きな違いです、だからこそファクトチェックが必要

どうでもいい些細な違いと考える人もいるでしょう。しかし、些細な違いがミスリードを招き、その後多くの人を惑わせることになる、と私は考えます。

最初は

95%の感染予防効果が示されています

次に

発症予防効果は明確に確認されています

となっています。

感染予防効果が発症予防効果に入れ替わっているじゃん!!

そして今は

95%程度の発症予防効果が示されています

で落ちついているようです(いちいちスクショや魚拓は取っていないので、今現在どうなっているのかは不明)。

そもそも、やっかいな感染症ワクチンの感染予防効果は無いとの報道に関してのファクトチェックするための記事ですよねえ。取材に協力してくれている研究者の方はこの件について、3回も繰り返して話したのでしょうか?それも3回が3回とも違う内容を。今回の取材に協力している研究者は実直で常に正しい医学情報を提供している、私は心の底から尊敬して信頼している方です。彼の名誉のためにも私はこのBuzzFeedの報道姿勢に強い違和感を抱いています。

この記事の最後にはこのような記載があります。

ワクチンの感染予防効果、発症予防効果に関する一部表現を訂正いたしました。

訂正しました、との記載が追記されたのは、2021年1月26日 10:22。yahoo!ニュースに転載され配信されたのが1月25日の19 :23です。ちなみに私がBuzzFeedの記事が第一報とyahoo! ニュースに転載された内容に違いがあることを再度確認したのが1月26日11:32です。

少なくともタイトルの「感染予防効果なし」は誤りは誤りであり、ミスリードだと考えます。

BUZZFEEDのやっかいな感染症ワクチンに関する記事はミスリードであると判断しました

感染と発症の違いを取材を受けた方は注意を払って語っていたのに、記者さんはその違いを十分に理解しないで記事にしたのではないでしょうか?と私は考えてしまいました

結局のところ、やっかいな感染症ワクチンは感染予防効果はあるのでしょうか?

イスラエイルにおけるやっかいな感染症ワクチンの効果に関するこのような記事があります。

イスラエルのワクチン事情

私はジャーナリストでも基礎医学の研究者でもありません。でも常に可能な限り一次ソースを確認するように心がけています。この記事はイスラエルでヘブライ語で報道されたものが一次ソースと考えられるために、私はヘブライ語の達人でありイスラエル情報に詳しい高校時代の尊敬する友人の協力を得てヘブライ語の記事を見つけてもらいました。

英語の記事は2回接種をすると感染者は0.015%になったことを伝えています。確かにワクチンは感染(発症ではない)を抑える可能性が強く示唆されています。しかし、これが報じられたのは1月25日20:51です。

ヘブライ語の記事は1回の接種でワクチンの効果は33%であったことを報じています。

私が依頼した高校時代の同級生は文系なので医学関連記事は得意ではないかもしれません。また、私が実は英語は大の苦手、ヘブライ語なんて分かるわけではないので、後日訂正する可能性があることをご承知おきいただけると幸いに存じます。

上記の記事では1回目のワクチン接種ではワクチンの効果は33%であることを報じており、厄介な感染症の検査の陽性率も減少していることを伝えています。しかしファイザーの提供したデータとイスラエルのデータに関しての比較は不正確である可能性があることを、とTHE TIMES OF ISRAEL中に登場する Bar Ilan Universityの教授は語っています。

その理由としては

イスラエルのデータは60歳以上の高齢者に限定されていることや、イスラエルのデータは陽性者(症状を問わない)をカウントし、ファイザー社のデータは症状がある陽性者をカウントしているので、単純な比較は難しい。

https://note.com/atarui/n/n41438e20ff43?fbclid=IwAR1DcyYKmKb18E_3rQTTWjEVOzLkPucavBcZZYReaajtrTzn4r-4tErx0ig

ファイザーは2月以降に感染予防効果についてのデータを発表するとのことです。

モデルナのワクチンに関しては無症状感染抑制効果がありそうであることも伝えられています(https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/)

結論:やっかいな感染症ワクチンが発症を抑え重症化を抑制することはファクト。しかし、感染予防効果に関しては感染を予防する効果は期待できそうだけど、確定的なことを言うためにはもう少しデータを蓄積して、世界中の研究者が検証することが求められる、が現時点での判断だと考えます。

じゃあ、ワクチンは接種した方がいいのか?は愚問です。発症を抑えて重症化を防ぐことを論理的に否定する論文や研究はありませんので。ワクチン接種の対象者はドンドン接種をするべきです!!

著者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の著者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

詳しいプロフィール

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