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シミを消す化粧品、こりゃありえないでしょうよ(怒&笑)

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シミを消す化粧品は医薬部外品であっても処方薬ではありません。さらに、シミを消す塗り薬の効果はレーザー治療とは比較になりません。

カネボウ化粧品が販売する美白化粧品で「肌がまだらに白くなる」などの被害が報告され、ロドデノールを使用した多数の製品の自主回収を行った「カネボウ美白化粧品問題」。2013年に起きたこのカネボウの白斑事件を踏まえ、シミを消す化粧品についての問題点を医師が考察します。

この記事の内容を動画で見てみる

シミを消す化粧品って医薬品とは違うし、当然レーザー治療とは比較にならないはずなんだけど

国民生活センターや厚労省がヘンテコリンなサプリや化粧品などのネット上の広告に関して、積極的に指導を行いだしました。美容系の医療も同じようにかなりキツイ指導が実際に行われているようです。

しかし、どんな業界でも抜け道を見つけちゃう人々が絶えないようです。

例えばこのシミを消すと称する化粧品のネット広告。美容医療に携わるモノとしては笑っちゃうレベルですが、惑わされてしまう人が多いようです。

ヘンテコリンなサプリや化粧品などのネット上の広告

https://beautymaker.xyz/shopping/lp.php?p=pc_shirony_2&adcd=yynjuybx0st

皮膚の新陳代謝は教科書的には4週間程度必要と書かれていますし、臨床上は年齢等を考慮に入れるとさらに効果を実感することができるのはそれ以上の時間が必要です。医薬品として保険外治療で使用される一定濃度以上のハイドロキノンという成分を含有した漂白剤でさえ、ここまでの結果を出すには少なくとも数か月必要とまともな医師は考えます。しかし、このSNS上で話題沸騰?と自称しているシミ消し化粧品はたった二週間で

ここまで目に見えてシミが減っていったので、途中は楽しくて仕方ありませんでした❗

だそーです(苦笑)。

お客様の個人的な体験によってこの化粧品の効果効能を表現する、というか広告する手法に惑わされて(騙されて?)しまう方も多数いるんじゃないでしょうか?だってこれはたぶんアフィリエイトと呼ばれる有料広告の手法であり、当然それなりの広告費がかかるんだから当然購入者もいるってことになりますもんね。

これってあり得ない、レーザーでシミを消したか、あるいは⋯

前掲の画像も化粧品であっても医薬部外品であっても、これだけではありえない効果効能を表現していますけど、こりゃまたスッゲー症例写真?も掲載されています。それがこれ↓

フォトショで加工しただけなのがバレバレ

もし、シミ治療に圧倒的な効果を発揮するレーザーを使用したとしても、3週間ではすっぴんでこのような状態までもっていくのはキツイです。というのもレーザーでシミを取ってもその直後は一週間程度はかさぶた状になりますし、かさぶたが取れた後は周囲の皮膚と比較してうっすらピンク色の肌になるはずです。ここまでキレイな状態になる可能性がある皮膚の状態は脂漏性角化症くらいです。脂漏性角化症は盛り上がった色素が特徴的で老人性角化症ともよばれて、この写真の方くらいの年齢でできちゃうのは珍しいのではないでしょうか?

そのあたりの詳細についてはこれをどうぞ。

小林製薬さま、ケシミンで本当にシミは消えるのでしょうか?

小林製薬さま、ケシミンで本当にシミは消えるのでしょうか?

CMを見ない日はない小林製薬さま、ネーミングのインパクト抜群の数々の製品の中で「ケシミン」というシミが消えるクリームがあります。シミが気になっている方はちょっと試してみたい、と思ったことありませんか??試す前にまず、この医薬部外品の「ケシミン」について医師視点でのレビュー記事を是非ご覧ください。

さらにさらに素晴らしい効果効能を体験談として伝えるこのアフィリエイト広告、レーザー治療等を組み合わせても実現が難し症例?さえもビフォーアフターにてその実力を伝えてくれます(苦笑)。

話は変わりますが、スマホとかで自撮りした場合、角度や照明等の条件できれいに写ったり、ありゃりゃ状態で写る場合がありますよね。さらに世の中にはフォトショなんとかという画像修正アプリもあると、どっかで聞いたような気がしないでもありません。

2020年5月17日追記こんなのも見つけました。

コスメのネット広告は要注意。違うシミ消しコスメなのに同一人物が続々と。

コスメのネット広告は要注意。違うシミ消しコスメなのに同一人物が続々と。

コスメやサプリメント(特にダイエット系サプリ)の広告の怪しさをお伝えしている五本木クリニック院長ブログ。時々行っているシミを消すと称するコスメのネット広告チェックで酷い写真・内容に辟易してしまいます。大げさかもしれませんが国家・法律レベルで取り締まらないといけない問題だと考えています。

シミを許しても、ニキビ跡は許せないぜ❗

この医学の常識を根底から覆す衝撃的な化粧品ですが(失礼医薬部外品でした)、シミだけじゃなくてニキビ跡にも効果を発揮しちゃうらしいです(苦笑⋯何回使うんだ、私は)。まあ、この画像の方、いままでどんなスキンケアしてたの状態のビフォー画像ですね。

2019年9月6日 18:17 追記ここにあった画像、どうやらアフィリエイターが無断使用したようです。被害者の方から連絡をいただきましたので削除いたします。

こんなスキンケア放置状態の方でもこの化粧品(医薬部外品かw)を使用するとこんなにキレイな肌になっちゃうそーですが⋯どれがシミでどれがニキビ跡なんだか皆さん見分けがつきますか?さらにさらにこのアフィリエイト広告はこんなことも言っています。

どんなに良い医薬品やシミ消し方法を試しても消えなかったシミが短期間で全て消滅させた方法とは⋯!

さらにさらにさらに

海外セレブ愛用で流行し、国内TVでも話題沸騰!世界的に効果が認められているシミ消しクリームとは⋯

と記した後に白衣姿の医師と思われる人物が登場している、たぶんテレビ画像まで⋯。

白衣姿は説得力があるため宣伝にはうってつけ?

シミを消す効果がある化粧品⋯これ医院専用かつ市販されている謎

医療機関であれば化粧品よりも断然効果のあるシミを消す塗り薬を処方することが可能です。化粧品を販売する上である程度効果効能を伝えたい場合は医薬部外品として行政の届け出て承認を受ける必要があります。でもどう見てもインチキ臭いこの化粧品は

専用医院内で使用される「医院専用DDクリーム」が、病院ではなく自宅で使用出来る

ことをウリにしている模様。これ逆に考えればこのシミ消しクリームを取り扱っている医療機関はレーザー等でシミを消すことを放棄しているとも考えられますし、ネット通販で手軽にゲットできる化粧品に美容医療を託している情けない医療機関とも考えられます(これはあくまで※個人の感想です(笑))。だってこれだもん↓

ドラッグストアなどに販売されるシミシワ改善化粧品とは違い、即効性があり、より強力な効果の最先端DDクリームなんです!

とも書かれていますけど⋯他社の製品と比較して自社製品が優れていることを示すデータを示してくださいませ。これ今になって気が付いたのですがシミを消す主成分がどっこにも書かれていません。どんな成分で構成されているかを化粧品の場合は明記するルールがあったような記憶があります。

化粧品ごときにごちゃごちゃ言うのも大人げないとの声も聞こえてきます。でも、数年前に大々的な事件として報道されたカネボウの白斑の件を多くの皆様は忘れ去ってしまったのでしょうか?

あのカネボウの白斑被害が集団訴訟になったが、当院での治療結果は?

あのカネボウの白斑被害が集団訴訟になったが、当院での治療結果は?

五本木クリニックで行った白斑被害救出作戦の結果です。カネボウの白斑被害に遭われた方で白斑が改善しない方にとって少しでも役立てるよう当院の治療データをお知らせします。

信頼できると考えられていた大手化粧品メーカーでさえこんな事件を起こしてしまいました。カネボウの美白効果のある化粧品も今回取り上げた化粧品とどうように医薬部外品でした。化粧品は夢を与える商品だと認識しておりますので、ちょっとは大げさな表現は許されるんじゃないか、なんて日々判断しています。しかーし、どうみてもインチキ臭い症例写真の力を借りて効果効能を表現する広告手法、製造メーカーに悪気がなくてもアフィリエイト広告を依頼してしまうと、無法地帯とも考えられるものになってしまうのです。

本当にこのシミを消す化粧品が良い商品であるならば、アフィリエイト広告はお止めになったほうがよろしいのでないでしょうか?

本気で肝斑を消したい方はこちらをどうぞ →  肝斑を消したい方向けのページ一覧

色素沈着が気になる方はこちらを → 色素沈着を目立たなくしたい・消したい

そしてシミを消したい方はこちらをどうぞ → シミを消したい

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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