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デング熱はなぜ二回目に感染すると症状が重症化して「デング出血熱」になるんだ!?

デング熱は確実に日本で広がっているけど

デング熱という聞き慣れない感染症が夏の終わりに話題となりました。今まで純国産のデング熱ウイルスを持った蚊は存在しなかったのが、地球温暖化の影響もあって日本が亜熱帯化して、日本常在の感染症になる!なんて話もでています。本日2014年9月22日現在で感染者は合計142人に達していますので、全国への波及効果はある程度避けられないと思います。

幸いに現時点では死亡に至る重症患者さんは出ていないようですが、今回のデング熱騒動が起きた時点で「デング熱って一回目より二回目に感染した方が重症化する」という話をスタッフに聞いて「そりゃ、アナフィラキシーショックのことじゃないの」と冷たく対応していた私は猛反省しないといけません。

デング熱って再感染した時に「デング出血熱」を発症することって実は感染症の専門家の間では常識だったんです。エボラ出血熱が世界を騒がせていた時にデング熱が日本で広がった為に、エボラとデングをごちゃ混ぜにする人が出るんじゃない的な発言をしたところ「エボラとの共通点は発熱だけじゃん」と物知りの理系のオッサンが言っていたんですけど、デングも出血&熱って病態があるですよ!!

デング熱_感染確認142人に NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/より

サイトカインって物質がデング熱の重症化に関連していたらしい

デング熱に感染しても症状は軽く済むとされているんですけども、二回目に感染すると重症化するメカニズムを説明できる考え方が登場しています(国立感染症研究所副所長の倉根一郎氏が第19回日本神経感染症学会総会学術集会で講演した内容を中心にお伝えしますが、メディカルトリビューンという医師専門のサイトに詳しく掲載されています。このサイトは会員制のためリンクを貼れないのでお許しください)。

軽症であっても軽度の出血傾向が出るデング熱も一週間程度で回復することがほとんどです。重症化すると出血が酷くなり胸水や腹水がたまってショック症状を起こしてしまいます。この傾向は再感染したときに現れることが多くみられます。そこで倉根氏は

「デング出血熱は,高レベルのウイルス増殖によって誘導されるT細胞活性化に起因する高サイトカイン血症によって起こる」

という考え方を発表しました(http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2014/M47380042/より 会員制なんで直接リンクできません)。

デング熱は蚊にさされないように、という当たり前のことが一番

今回のデング熱国内初感染の報道によって、第二次世界大戦当時と戦後に国内でデング熱が大流行したことは、わりと多くの方が知ることになっています。

戦争のとき日本の兵隊さんは今では海外旅行でのんきに出かける南の島まで戦いに行っていたのですが、そこでデング熱ウイルスに感染して国内に帰ってきた兵隊さん(帰還兵と呼びます)によって西日本で20万人もの感染者がでる大流行となったのです。その後、日本でデング熱が大流行しなかった原因としては媒介する蚊が冬を越せないために一時的な流行で済んでしまったと考えられています。

今回のデング熱も媒介する蚊が涼しくなると死に絶えてしまうので、これ以上感染者は増えないと言われているのに新たな感染者が出ていることに神経を使わざる得ない方も多いのではないでしょうか?

今までも毎年数百人の方が海外でデング熱ウイルスをもつ蚊に刺されてデング熱感染症と診断されています。つまり、海外で一度デング熱に感染した人はもちろん、今回国内で感染してしまった人も二回目以降デング熱に感染すると重症化するという点に気をつけないとなりません。というのもデング熱のウイルスは4種類あるので一回刺されたから一生免疫がつくと言うことは無いので、再感染のリスクを防ぐことが重要になってくるのです。厚生労働省が「蚊に刺されないのが重要です」というニュアンスのコメントをしていて、そんな当たり前のことを今さら言われてもね〜、と言っていた人も多いと思います。デング熱の予防接種の実用化は来年以降らしいので(関連エントリー)、蚊が冬を越せないことを祈りつつお出かけ前には蚊よけスプレーの使用をお忘れなく!!