fbpx

2020年のトンデモさん達!ニセ医学の総ざらい【その2】4月〜6月編

更新日:

2020年の4月は日本はいままで経験したことがない状況になりました。半パニック状態であっても、そのどさくさに紛れてトンデモさんはご活躍。

非常時に登場するトンデモさんは、下手すりゃデマ屋にもなりかねない存在であることに注意が必要です。人の弱みと旬の話題にのっかるトンデモさん、非常事態宣言発令中であってもマイペースで跳梁跋扈するダークサイドのトンデモさん、この時期ははた迷惑なトンデモさんが目立ちましたね。

2020年4月のトンデモさん

他人様に迷惑を掛けない愛すべきトンデモさんがいる一方で、確実に世の中に悪影響を及ぼすトンデモさんもいます。本来ならば「トンデモさん」とは呼びたくは無いと思いつつ、非常識な行動を取るひとも世間一般ではトンデモと呼ばれているようなので、あえて風潮に流されつつこの自称医療ジャーナリストさんを取り上げました。

N95マスク不足を告発しながら、N95マスクを無駄使いする医療ジャーナリスト。

N95マスク不足を告発しながら、N95マスクを無駄使いする医療ジャーナリスト。

医療機関でのN95マスク不足は深刻です。医療従事者ではないのに、世界的に不足しているN95マスクを利用する医療ジャーナリストさんがいます。最近では古市憲寿氏と「とくダネ!」で激しい口論になったこともありました。医療ジャーナリストは資格が必要ではなく、自分で医療ジャーナリストと名乗れば医療ジャーナリストです。

N95マスクは医療関係者が己の身を守るために使用されるべき特殊なマスクであり、N95マスクが世の中に溢れかえっているのであれば、皆さんもお使いになっても全く問題ではありません(残念ながら2020年12月後半であっても、世界中で不足しています)。

この自称医療ジャーナリストさんは自分が医療業界のビッグショットと付き合いがあり、とっておきの表に出ていない情報をもっている風を芸風としていることで真っ当な医師の間では有名です。「イトシュンにブロックされて一人前の医師である」との格言もあり、幸いにして私も一方的にTwitterはブロックされています。

4月は院内感染予防及びPPE (個人の防護グッズ)確保、そして患者さんに正しい感染症予防方法や巷に溢れかえっていた検査に対する誤解の説明のために時間を取られて、トンデモ系のブログ記事を書く時間が確保できなかったことを今になって思い出しています。あの時は本当にクッタクタでした。

2020年5月のトンデモさん

緊急事態宣言の影響でクリニックを受診する患者さんは激減しました。こっちからも、「こんな世の中なんで、薬だけ取りに来てくれてもOK」と平時であれば医師法に抵触するようなこともやってしまいました。オンライン診療を開設しても、お年寄りにはハードルが高いのでしょうね。

そんなこんなの5月に私のライフワークであるトンデモ系ニセ医学批判の本丸の1つである「0-リングテスト」をブログ記事にしました。

怪しすぎるO-リングテスト、究極のトンデモ系ニセ医学臭がぷんぷん。

怪しすぎるO-リングテスト、究極のトンデモ系ニセ医学臭がぷんぷん。

医療従事者にも信奉している人が少なからず存在しているOリングテスト。Oリングテストのニセ医学っぷりを詳しく検証させていただきます。Oリングテストを導入している医療従事者は医師に限らず、歯医者・鍼灸師・獣医師・薬剤師にまで広がっています。医療機関を選ぶのはあなたです。

このO-リングテストの創始者にインタビューをした経験のある某科学系ライターの知人によれば、創始者さんは手から放射能(笑)が出ているとおっしゃっていたそうです。まあ、2011年の3月以前の話なんでしょうね、多分。

このO-リングテストは信じ込んでいる医師もいれば、鍼灸師の方もいるようです。そもそも設備投資がゼロでお気軽に始めることのできる検査ですから、どなたでもご自宅で修練を重ねれば医療崩壊なんてことは生じないでしょうね。

2020年6月のトンデモさん

6月は夏には収まるであろう、なんて無責任な発言を繰り返していたバラエティ系情報番組で準レギュラー化していた人たちへの反論がメディアでボチボチ取り上げられた時期だったと記憶しています。

私は岡田のおばさまや怒りまくっている玉川さんやヘンテコなご意見の開業医への批判は2020年の2月から実行していたのでこの時期は、世間は今頃になって気がついたのかレベルで取り扱っていました。

この頃は1月に取り上げた空間除菌の無意味さもメディアでやっとこ出だしましたよね。
クレベリンにはエビデンスがあっても、その信頼度には問題あり❗

クレベリンにはエビデンスがあっても、その信頼度には問題あり❗

消費者庁は空間除菌の製品の広告に対して景品表示法違反(優良誤認)に当たると再発防止命令を出しています。空間除菌製品の代表であるクレベリン、ウイルス対策としての使用は、安心感は得られても実際の効果は期待できません。クレベリンは製薬会社が販売していますが雑貨なのです。空間除菌のウソ・本当について医師が解説します。

このブログ記事をアップした翌日に該当製薬会社の株価が下がって焦ったっけ。この当時は私のブログは信じられないくらい、めちゃくちゃPVがありました⋯その後は凋落の一途ですけど(泣)。

そんなこんなの空間除菌が一般的に話題になった時に書いたブログ記事がこれです。

オゾン発生装置をイチオシする医療ジャーナリストと称する人の発言は無責任すぎるぞ❗

オゾン発生装置をイチオシする医療ジャーナリストと称する人の発言は無責任すぎるぞ❗

次亜塩素酸水を空間に噴霧しても、アルコール消毒のように手指にスプレーしても新型コロナ対策にはならないばかりか、吸い込んだ場合は人体に有害であることが少しずつ周知されつつつあります。オゾン発生装置が効果ありとネット上で情報を拡散する人がいます。オゾン発生装置でウイルス対策は可能なのでしょうか?メーカーは認めていません。

オゾンは強力な殺菌作用やウイルスを失活させる効果がある一方で、人体にも影響を及ぼします。オゾンは実際の医療現場で使用されていても、使用している時にヒトがその空間にいたら大変。あっ、ここで俎上に載せた医療ジャーナリストは当然彼です。私は基本的にはさっぱりした性格と周囲からは言われていても、ニセ医学といえる知識を専門家風を装ってテレビやTwitterで撒き散らすので、ブロックされていても定点観測を来年2021年も継続する所存です。

非常事態宣言発令中のトンデモさんの特徴

この時期は非常事態下ライフに慣れが生じて、これまではあまり観ることがなかったテレビを観っぱなしライフを送ってしまいました。地上波よりまともであろうと思われたBSを中心として観ていたのですが、BSであっても、なんとなーくテレビ局によって内容に偏りが生じていることに気が付きました(今更かよ的ですけどね)。

かなりトンデモ系の方々もテレビのニュース系情報番組に登場していて、あらためてテレビの影響力の大きさを認識しました。

トンデモ系ニセ医学を取り上げてしまう、そそっかしいニュース系を装ったテレビ番組、ある意味では取り上げられたトンデモさんにとっては歓喜乱舞状態なんでしょうね。

昨日、「2020年のトンデモさん、ニセ医学の総ざらい その1(1月〜3月編)」を書いたのですが、このペースだと3ヶ月ごとにトンデモさんのまとめを作っても、本年中に終了しないことに気がついた(笑)。

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

Affiliated Medical Institutions

主な提携医療機関

一般診療
診療日
月・火・水・金
9:30~12:30/15:00~18:30

土 9:30~12:30
休診日
木・日・祝
受付時間
9:00〜12:15/14:30〜18:15

泌尿器科・内科・発熱外来

フリーダイヤルがご利用になれない場合は03-5721-7000

美容診療
診療日
月・火・水・木・金・土
10:00~18:30

※完全予約制です。ご予約はお電話ください。
休診日
日・祝
受付時間
10:00〜18:30

美容外科・美容皮膚科

フリーダイヤルがご利用になれない場合は03-5721-7015

© 2023 医療法人社団 萌隆会 五本木クリニック