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植物由来だから安全と信じる自然派さん向けの「厄介な感染症に効くお茶」って何じゃ??

私たち日本人はお茶と共に生活しているといっても過言ではありません。そしてお茶は健康飲料であると無意識に信じてしまっていると思います。

花粉症の季節はヨーグルトと並んでお茶が店頭に大量に並びます。ウイルスにも強いということでインフルエンザ流行時期にも同様の傾向がみられます。

お茶が実際に効果あるかどうかはさておき、やっかいな感染症対策で様々な情報が錯綜している中、厄介な感染症に効くお茶ってあったら、ついつい買ってしまうのは仕方のないことです。そこには、たとえ効果なくても、お茶だし、体にいいし、という心理があるはず。

でも、そのお茶は本当に安全なのでしょうか??今回キニーネを使ったお茶を取りあげます。

キニーネを使ったお茶が厄介な感染症に効く???めちゃくちゃ危険だぞ

世の中には自然派と呼ばれる人々がいます。別名化学物質忌避派、彼ら彼女らがどのような定義によって「化学物質」であるか、自然のものであるのかを判別しているかは不明です。

科学的思考を判断すれば、世の中に存在するものは化学物質であるとも考えられるんですけどね。

自然派をこじらせた方面の方の多くは、自然界に存在するものに手を加える、あるいは加工することを嫌う傾向があるようです。

海外ではこのような自然派をこじらせた方面の方もいるようです。

ナショナル・ジオグラフィックのサイトより

ブラジルで厄介な感染症ウイルス治療薬として販売されているキナ茶(ヒドロキシクロロキン茶)この記事ではがフェイクつまりインチキであることを伝えています。

キナのハーブティーってこれかな?海外のAmazonではいまでも扱われていますね(https://www.amazon.com/Quina-Roja-Hierba-Tea-14-G/dp/B07HYK863K)より

一部の薬は確かに植物を原料として製造されています。だからといってその植物そのものを口にしちゃう危険性について少々検証してみますね。

アスピリンは植物由来、自然派さんは原料のヤナギをばりばり食べるの?

薬を作ることを創薬と呼びます。自然界に存在するものを原料として薬が作られてきたのは歴史的な事実です。

例えば古典的消炎鎮痛剤として知られるアスピリン。ヒポクラテスの時代から痛み止めの効果があることから使用されていたヤナギの樹皮の効果に着目した神父さんが、ヤナギの樹皮から抽出した物質がサリチル酸です。

サリチル酸の副作用を減じるため試行錯誤が繰り返され、アセチルサリチル酸、つまりアスピリンが合成されて今に至っています。

アスピリンが消炎鎮痛効果があるからといって、おしゃれにヤナギの樹皮を使ってハーブティーとして飲用ことは危険です。

そもそも18世紀にヤナギの樹皮エキスから抽出されたサリチル酸の副作用(胃腸障害や腎機能・肝機能障害)を少なくするために、アスピリンが化学的手法によって合成されたのですからね。

聞き慣れないキナをつかったハーブティーがやっかいな感染症ウイルスに効果がある、との話はどのような思考回路から生じたものでしょうか?

マラリアの薬がやっかいな感染症治療薬になる、自然派としてはキナのハーブティーを飲んじゃおう、はリスキーです。

トランプ大統領が「俺はマラリアの薬であるヒドロキシクロロキンを飲んでいる。だからやっかいな感染症ウイルスには感染しないよ!」と発言したことがありました。

BBC トランプ氏、新型ウイルス予防に未実証のマラリア薬を飲んでいると(https://www.bbc.com/japanese/52717710)より

確かに世界中でやっかいな感染症ウイルスの治療薬が模索されており、マラリアの治療薬であるヒドロキシクロロキンもその対象となっています。

キナは「quina」と英語では表記して、キニーネという薬の原料になる植物です。このキニーネを服用することがマラリア感染に劇的な効果があることが南米で知られていました(日本ベクトン・ディッキンソン「マラリアのはなし」https://www.bdj.co.jp/safety/articles/ignazzo/vol13/hkdqj200000uhury.htmlなどによる)。

マラリアの治療薬であるヒドロキシクロロキンはキニーネの副作用を少なくするために開発された、化学的手法をつかった製剤です(自然派さんから言わせれた、めちゃくちゃ化学物質)。

抗マラリア薬として効果効能が現代医学によって証明されいるヒドロキシクロロキンであっても、やっかいな感染症ウイルス治療に役立つかは判明していません。だからこそ世界中で治験が行われているのです。

しかし、このような報道もあります。

BBC トランプ氏服用の抗マラリア薬、死亡リスク増大で治療効果みられず=英医学誌(https://www.bbc.com/japanese/52766529)より

一方でこのような報道もあります。

JIJI.COM 米、ブラジルに抗マラリア薬 やっかいな感染症で共同臨床試験(https://www.jiji.com/sp/article?k=2020060100515&g=cov)より

ヒドロキシクロロキンはやっかいな感染症ウイルスに効果があるかもしれないけど、副作用もあるから注意が必要ですよ、効果や副作用に関してはさらなるデータの蓄積が必要だから、治験を行います、ということです。

効果は現時点では不確実、副作用に関してはある程度は知られているマラリアの治療薬であるヒドロキシクロロキン。

自然派こじらせた方面の考え方は、手を加えた化学的手法によって製造されたものはよろしくない、化学的手法によって合成された薬なんてもってのほかである、だから原料であるキナをハーブティーで飲用してやっかいな感染症ウイルス対策としましょう、ってことなんでしょうね。

副作用を出来得る限り減弱して、さらに薬の効果を高めるために化学合成されたものがヒドロキシクロロキンなのにね。

やっかいな感染症ウイルス対策として漢方薬を飲みましょう!!とアプローチしてくるやっかいなクリニックの存在

以前、やっかいな感染症ウイルスの抗体検査は玉石混交であり、あわてん坊さんは注意しましょうね、との記事を書きました。

実は某クリニックの抗体検査のお誘いメールがなぜか手元にあります。「やっかいな感染症抗体検査のお勧めの案内です。この機会に是非!」とのタイトルのメールはこのように伝えています。

ご家族の皆様に厄介な感染症ウィルスの抗体検査を受けて頂きたく、初診料を5月末まで無料としますので、是非、この機会に受けて下さい。

疑うことをしらない純情な方は医師名でこのようなメールが飛び込んできたら、やっかいな感染症の抗体検査を受けてしまいますよね。実際にどこのメーカーの抗体検査キットが不明なものを使用した検査を受けたチャレンジャーがいます。

陰性と判定された後日、凄まじい勢いでやっかいな感染症ウイルス感染予防のために漢方薬を服用しましょう、とのメールが届く仕組みになっているようです。

一粒で二度おいしい的商法の医療機関が薦める漢方薬は「補中益気湯」「十全大補湯」「清肺排毒湯」などです。

合成化学物質である薬は身体に良くないけど、漢方薬なら安心、と考える自然派の方がいます。そのような思考の人々にとっては漢方薬で行うやっかいな感染症ウイルス対策は魅力的なんでしょうね。

漢方薬が無症状感染者にとって効果がある、との論文が日本感染症学会のウェブサイトに掲載されていることも、話を複雑化させているように思われます。

この論文(査読されていない模様)にも漢方薬が中心となってやっかいな感染症感染に治療効果を発揮したわけじゃないことが書かれています。さらに漢方薬を使用する際には漢方医学的診断のエキスパートが行うべきである、とも読み取れます。

やっかいな感染症ウイルス対策として、ハーブティーや漢方薬は副作用が無いから安心、と考えることは後々で様々な問題が発生する可能性があることに注意が必要です。

このような記事を見かけました。

朝日新聞デジタル 「厄介な感染症に効く」と漢方薬宣伝 容疑の中国人書類送検へ(https://digital.asahi.com/articles/ASN646TS6N64UDCB00L.html)より。

しかし、効果が明確になっていない薬を医師が勧めちゃうのは、世界中が混乱していると言っても、ちょっとマズいと思うんだよなあ⋯。

おまけ:ナショジオの日本語バージョンでもキナ茶に関して掲載されています

植物は自分自身を守るために必要な物質だけを作っています。多くの場合、植物が作る物質は人間には有毒です

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/060800341/?P=1

自然派こじらせた方面の方々には強烈な警告ですね。

抗議がある場合はメールでお願いします。

著者情報

桑満おさむ医師

このブログ記事の著者:桑満おさむ
Osamu Kuwamitsu, M.D.

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

詳しいプロフィール

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