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【マスクのまとめ】今でも勘違いされている目的と効果

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日本では花粉症や風邪のシーズンにマスクをするのは特別なことではありませんが、海外では一般人がマスクを着用していると病人だと思われてしまいます。

今回の新型コロナの世界的流行によって、世界中でマスク姿が当たり前の光景になっています。しかし、マスクの効果に関して勘違いをしている人が多いことに驚いています。

今まで、マスクに関する情報をお伝えするために、多くのブログを書いてきました。過去のマスクに関するブログを振り返りながら、マスクの効果や注意点を整理するのにお役立ていただけると、医師の端くれとしてうれしいです。

マスクをつける本当の意味

まず、新型コロナ感染症が話題にならなかった昨年末にインフルエンザや風邪対策として、イオンが従業員に対してマスク着用を禁ずる指示を出したことが話題になりました。

「イオンの接客時マスク着用禁止」騒動⋯そもそもマスクは風邪やインフルエンザに効果あるの?

「イオンの接客時マスク着用禁止」騒動⋯そもそもマスクは風邪やインフルエンザに効果あるの?

非難轟々のイオンですが、医学的にはイオンを擁護できます。そもそもマスクは風邪やインフルエンザの予防効果は医学論文上では明確になっていません。もちろん体調が悪ければ休める職場環境作りが優先されます。

私はこのブログで、一般のマスクは他人にウイルス等を感染させないことを目的にしたものであることをお伝えしたのですが、「イオンは従業員を守るつもりは無いのか!(怒)」的なご意見も多数ありました。少なくとも一般の方が使用するマスクはマスクを着用している人を感染から守る効果は期待できません。

その後、新型コロナ感染症が国内でも感染拡大傾向となったために、全国的にマスク不足というちょっとしたパニック状態になってしまいました。そこでマスクを入手できないことの対策として、ご自分でマスクを手作りしようとのムーブメントがありましたよね。私はマスクさえ着用していたら新型コロナ感染症に感染しないとの考えはリスキーであることをお伝えしたいために、こんなブログを書きました。

【要注意!】手作り布マスクはウイルス感染リスクが高まる可能性あり。

【要注意!】手作り布マスクはウイルス感染リスクが高まる可能性あり。

不織布マスクの枯渇により、生活の知恵・マスク不足対策としてウレタンマスク・布マスクが使われはじめました。布マスクでは「手作り布マスク」が注目されています。不織布に比べて布マスクはウイルス感染を予防する効果は弱く、逆に布マスクはウイルス感染を助長する、との医学論文さえ存在します。マスクの意味について考えてみましょう。

このブログ、めちゃめちゃ罵詈雑言を頂戴したっけなあ。「せっかくお母さんが手作りしたマスクを見下すなんて、キー❗」というのが多かったと記憶しています。このブログ中で医療用のマスクと布マスクの効果を比較した論文を引用してあったのですが、ご理解いただけなかったのが残念です。引用した論文は布マスクを着用すると逆に感染リスクが高まることさえ報じていたので、罵詈雑言は加速度的に増加しました(泣)。

そこであまりにもマスクを過信すると、逆効果だよ、とお伝えしたのがこのブログ。

ヒトは一時間に23回顔を触るから、マスクはウイルス感染を防ぐ場合もあるかも?

ヒトは一時間に23回顔を触るから、マスクはウイルス感染を防ぐ場合もあるかも?

人が1日に顔を触る回数は、1時間あたり23回と言われていますので起きている時間x23が目安です。ですが新型コロナウイルス感染予防対策法として「顔をいじらない」効果はマスクに期待できても、マスク自体を触ってしまうと逆に感染リスクが高まるような気もします。新しい生活様式におけるマスクの効果について、考えてみました。

マスク着用しているとしきりとマスクを手で触ってしまいます。すると、マスクの外面に付着したウイルスが当然その手にくっつきます。人ってしょっちゅう顔をいじる傾向があることを伝える論文を紹介しながら、慣れないマスク着用は逆に感染リスクを高める可能性をお伝えすると同時に感染症予防の基本中の基本である手指消毒の重要さをお伝えしたかったのです。

画像
TBS NEWS https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4131782.html

フェイスシールド、これを付けても他人に感染させることを防げるとは思えません。医療関係者が新型コロナ感染症の患者さんの検査をするときにフェイスシールドを付けるのは、患者さんの喀痰を浴びないためです。フェイスシールド使用時にマスクを併用します、もちろん自分を守るためです。

医療関係者が使用するN95という特殊なマスクの効果

とうとう私たち医療関係者が使用するサージカルマスク及N95という通常のマスクとは違って、自分自身をウイルス感染から守るマスクの入手が困難になりました(これは現時点でも続いています)。

マスクはどこに消えたのか?ついに医療機関でもマスク不足。

マスクはどこに消えたのか?ついに医療機関でもマスク不足。

医師がマスクを診察時や手術時にマスクをするのは、自分たちの飛沫が患者さんに感染させないためです。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一般の方が使用するマスクが品不足になり、その影響で医療従事者が通常の診察で使用するサージカルマスクもN95マスクもほとんど入手することが出来なくなりました。マスク不足問題を考察します。

新型コロナ感染症感染拡大に伴い、半可通のど素人の手による「正しいマスクの着用法」的記事が目立ちはじめていることを批判しつつ、質の高い医学専門誌であるJAMAに掲載された、サージカルマスクとN95の市中における感染予防効果についてお伝えしました。

そんなこんなのマスク不足、特に新型コロナ感染症の患者さんと接する機会のある医療従事者にとってはマストアイテムでもあるN95を私がトンデモ認定している、医療ジャーナリストと称する人物が自慢げに外出時に使用していることがわかりました。

N95マスク不足を告発しながら、N95マスクを無駄使いする医療ジャーナリスト。

N95マスク不足を告発しながら、N95マスクを無駄使いする医療ジャーナリスト。

医療機関でのN95マスク不足は深刻です。医療従事者ではないのに、世界的に不足しているN95マスクを利用する医療ジャーナリストさんがいます。最近では古市憲寿氏と「とくダネ!」で激しい口論になったこともありました。医療ジャーナリストは資格が必要ではなく、自分で医療ジャーナリストと名乗れば医療ジャーナリストです。

ご自分は医療関係者でもなんでも無いのに、N95不足で政府を強く批判しておきながらご自分で私用でちゃっかりN95を装着している様子をSNSにアップ。どうしようもない自称医療ジャーナリストです。

気になる全国民に配布された「アベノマスク」の効果

全国的というか世界的に注目されたのが、例の「アベノマスク」。私は無駄だと思われているアベノマスクがひょっとしてマスク不足解消につながるのでは無いか、と考えて書いたのがこれ。

各家庭に配布される布製マスクの効果と目的を検証しました。

各家庭に配布される布製マスクの効果と目的を検証しました。

インパクト強すぎたガーゼマスク姿の安倍首相。マスク不足解消のために、日本国政府は布製マスクを全世帯に2枚ずつ配布し、アベノミクスに因んでアベノマスクと呼ばれています。中国での生産に依存しすぎたがゆえに起こったマスク不足には効果はあったと思いますが、感染症対策になり得るのか?使用目的について医師が解説します。

一般の方はそもそものマスクの効果として期待できるのは、他人に感染させない、です。そこで、世の中にガーゼであろうと布であろうとマスクが1億枚供給されることによって、ところてん方式に医療機関向けのマスクがある程度確保できるのでは無いかとの結論を書いたところ⋯ネトウヨ認定されてしまいました(泣)。

ある界隈ではアベノマスクに異物が混入していた、と大騒ぎ。そこで医療で言うところの、清潔・不潔は一般の方が考えるキレイ・汚いとは違うことを実験をしてお伝えしました。

アベノマスク?見た目の綺麗・汚いと医学的清潔・不潔は別物だよ

アベノマスク?見た目の綺麗・汚いと医学的清潔・不潔は別物だよ

一家庭2枚配布されたアベノマスク。異物が混入して不潔!!との話が出回っていました。医学的に言うところの清潔・不潔と一般の方が考える清潔・不潔の違いをアベノマスクを使った実験でご説明します。

別に安倍政権を支持してもいないし、近年は自民党に投票した記憶も無い私です。私はただ科学的・医学的事実をお伝えしたのに、このブログを書いたことにより、「御用医者」とのありがたい認定をあっち方面の方々にいただいきました。

最終的にマスクさえしていれば自分を守れる、他人に対しての感染させるリスクを減らせるとの、マスクに対する過剰な期待を裏切る論文が登場したため、こんなブログを投下しました。

【注意】効果が無いだけじゃなくて、下手すりゃ感染リスクを高めるマスクもあります❗

【注意】効果が無いだけじゃなくて、下手すりゃ感染リスクを高めるマスクもあります❗

マスク着用姿はアジア独特でしたが、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックにより世界中でマスクが当たり前になりました。マスク着用によるウイルス感染拡大予防効果は医学的見地では意見が別れますが、感染予防のためのマスクでも素材によっては逆に移してしまうリスクが高まるのではないか、との報告がありましたのでご紹介します。

マスクの効果の結論

結論:マスクは基本的に他人にウイルスをうつさないためのツールです。自分自身を感染から守る効果は過信しないで、3密を避ける、こまめに手洗いをする、そして屋内ではマスクを着用することが感染拡大を抑える方法であると判断しています。

おまけ:私がマスクに対して、一般の町医者なのにそれなりの数の論文を収集しているのはこれがきっかけです。

花粉を水に変えるマスク、その効果は医学論文で明らかに⋯なってないよ❗

花粉を水に変えるマスク、その効果は医学論文で明らかに⋯なってないよ❗

ハイドロ銀チタンマスクという医師が考案したことを売りにした製品があります。花粉を水に変えるマスクとして有名です。そして消費者庁に不当景品類及び不当表示防止法で禁止された行為に該当すると課徴金857万円の支払いを命じられたマスクです。このハイドロ銀チタンマスクが医学論文をどのように利用したのか、その手法を解説します。

この時はこのヘンテコなマスクビジネスに関わっていたらしい、某国立大学医学部教授に「集団訴訟の準備に入りました」的な恫喝のメールをいただいたっけ、その後、某教授はどうしているんだろうなあ⋯

著者プロフィール

桑満おさむ(医師)


このブログ記事を書いた医師:桑満おさむ(Osamu Kuwamitsu, M.D.)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ医師のプロフィール詳細

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